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過度のターゲティング広告が消費者のブランド離れにつながる ー 消費者調査

過度のターゲティング広告が消費者のブランド離れにつながる ー 消費者調査

トレンド
2019/04/19

検索サイトやバナー広告から訪問者とその後の行動を追跡し、興味関心に応じて効果的に絞り込んだ広告を表示する「リターゲティング」アプローチは、キャンペーン効果を減少させる可能性があるという。それは、消費者のターゲティング広告に対する無関心や不信感を増幅させるからである。

 

世界トップクラスのマーケディング企業Kantar社の最新のDimension reportによると、英国の消費者のうち56%が過剰なターゲティング広告に否定的であるという。そして、55%は広告コンテンツには完全に無関心であり、これは2018年の53%より増加している。

 

広告出稿費の総額が3,520億ドルに達する5つの市場において、5,000人のデジタルネイティブであるコネクテッド・コンシューマーを対象に調査した結果、英国の消費者の73%は同じ広告を何度も見せられることを不満に感じるという。さらに残念なことに、消費者のうち「広告を楽しんでいる」と答えたのは、たったの11%という結果になった。

 

Kantar UKおよびアイルランドのメディア部門最高経営責任者(CEO)であるMark Inskip氏は、次のように述べている。

「もし、ブランドと広告主が、顧客の信頼を取り戻し、維持したいと考えるのであれば、業界全体でより責任あるデータ利用を行う必要がある。ニッチターゲティング機能と、マスマーケティング戦略を両立させる統合されたアプローチを行うことで、ブランドは消費者に役立つ付加的な体験を提供することが可能となるだろう」。

「企業が自社で収集した顧客やウェブサイト訪問者に関して検証済みのファーストパーティーデータを、自分たちのアプローチ、そして可能な範囲において、ウィールドガーデン・プラットフォーム(クローズド・プラットフォーム)に組み込みことができれば、全メディアにわたるコンシューマージャーニー(消費者がどのように商品やブランドを認知し、関心を持ち、購入に至るのか、というプロセス)の全体像を描くことができる」。

 

広告ブロッキングソフトウエアを使用している英国の消費者は、過去2年間で22%と横ばいに推移しているが、現在、彼らは別の広告対策方法を見つけている。44%の英国の消費者は、テレビや動画のサブスクリプションサービスに加入し、17%はオーディオや音楽サービスに料金を支払っている。双方とも、ユーザーに対し「広告に邪魔されることなく快適な視聴を楽しむことができるサービス」を提供しているのだ。

 

テレビや動画のストリーミングサービスに加入している人々のうち、52%は、提供されるコンテンツ内容が有料サービスに加入した主な理由だという。しかしながら、徐々に増えつつあるのが、広告にターゲティングされることを避けるためにストリーミングサービスに加入するという人々である。その数は昨年の31%から増加し、36%となった。

 

Inskip氏は次のように述べている。「消費者が広告に対してますます精通している今、広告業界が注力すべきは、視聴者に強く求められ、なおかつインパクトを与えられるコンテンツをつくることだ」。

「すでに、いくつかのブランドが正しい方向へ向かっている。最終的には、適切なコンテキストで表示され、パフォーマンスを最適化するために、正確に効果測定される説得力のあるコンテンツを作成できるブランドがトップに立つことになるだろう」。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の4/9公開の記事を翻訳・補足したものです。