EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」

チャットでの問い合わせ、約9割の人が利便性を実感

チャットでの問い合わせ、約9割の人が利便性を実感

トレンド
2019/02/04

AI技術を活用したコミュニケーションプロダクトを開発するモビルス株式会社は、お客様窓口でのお問い合わせにおけるチャットの利用実態について、男女約560名を対象に調査を実施した。

この調査結果のまとめを紹介する。

 

9割以上がお客さま窓口の対応次第では購買の意思決定に影響があると回答

まず、お客さま窓口の対応が企業のイメージや商品・サービスの購買に与える影響について調査したところ、回答者の約94.8%が「影響すると思う」と回答してることが明らかとなった。

この理由として多く挙がったのが「窓口は会社の経営姿勢そのものだと思う」「対応の良さが購入の条件になる」といった意見だ。中には、「私にとって窓口に相談することは、するかしないか悩んだ末のことなので、思い切って連絡してもなかなか繋がらなかったり、相談したことを受け流されていると感じたりすると、たとえ問題が解決してもモヤモヤしたものが残ります。窓口に相談することへの心理的ハードルを述べるものもあった。このことから、価格などの条件面以外にも対応の良し悪しから左右される感情・心理によって購買意欲に大きく影響が出ていることが分かった。

 

不満上位は「待たされる」「通話料がかかる」「返信が遅い・こない」

お客さま窓口の対応が購買意欲に大きく影響を与えることが分かったが、利用者はどのようなとき不満を感じているのだろう。

まず、これまで利用したことがある問い合わせ手段を尋ねたところ、電話(80.1%)が最も多く、次いで問い合わせフォール(68.1%)、メール(67.4%)と続いている。さらに、「お客様窓口に問い合わせを行った際に、不満に思ったことがあれば全て選んでください。」と尋ねたところ、最多は「担当者に繋がらない・待たされる(64.9%)」であり、「通話料・通信料がかかる(44.5%)」「返信が遅い・連絡がこない(41.8%)」という回答が続いている。

利用の多い電話・問い合わせフォーム・メールいずれの手段においても、解決までに想定以上の時間を要する点や問い合わせにより発生するコスト面の不満が目立つ結果となった。

 

時間や場所を選ばず、待たされない「チャット」

ここで、チャットによる問い合わせの利用状況と印象について質問した。この結果、チャット利用経験者は回答者の88.0%にのぼり、その9割の人はチャットでの問い合わせは便利だと感じていることが分かった。この理由として、「時間や場所を選ばず、自分の都合に合わせて問い合わせができる(69.2%)」「オペレーターにすぐつながり、待たされない(65.7%)」、「テキストとして記録に残すことができ、見返しやすい(48.8%)」といった回答がみられた。

実際にチャットで問い合わせをしたことがある業界を尋ねると、メーカー(57.9%)が圧倒的に多かったものの、小売/ネットショップから(28.7%)、金融(17.1%)、自治体(5.6%)まで回答数に差がみられるものの幅広い業界でチャットが導入され始めていることが伺える。

さらに、日常的に馴染みのあるコミュニケーション手段として全体では電話(34.9%)、メール(30.1%)、チャット(24.2%)の順に多く回答されたものの、年代によって最も馴染みのある手段が異なった。全体で最も多い電話に関しては60代の半数以上が回答しているものの、20代に関しては20%にとどまっている。また、メールに関しては、会社で頻繁に利用している30~50代に多く選ばれ、30代と50代は電話よりも回答数を得ている。そしてチャットに関しては年代が下がるほど、回答数が多くなっており、20代はメールや電話を抜いて最多の53%が馴染みがあると回答している。LINEなどのコミュニケーションプラットフォームによってチャットが若い世代から急速に普及していることが考えられる。

 

今回の調査より、お客さま窓口の対応は企業のイメージやサービスに大きく影響を及ぼし、「待たされる」ことは最も利用者の不満に繋がっていることが明らかになった。さらに、待たされないことや自分の都合に合わせて問い合わせることができることから、チャットでの問い合わせは多くの支持を得ており、幅広い職業で導入され始めていることが分かった。いち早く疑問点や問題を解決したい問い合わせをする側にとって、待たされたり、自分の都合に合わせて問い合わせすることができないことで大きくストレスを感じることが伺われる。現状では、20代など若い世代を中心に慣れ親しまれている「チャット」という形態だが、今後人材不足に苦しむ企業側にとっても、利用者側がよりストレスを感じない問い合わせ手段として、チャットが一躍買うことが期待されている。