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パワフルで力のある商品コンテンツを開発・運用するための4つのステップ

パワフルで力のある商品コンテンツを開発・運用するための4つのステップ

ノウハウ・ツール
2018/11/01

多くの実店舗は、(オフラインのみならず)オンライン分野にも業務を拡張している。そう考えると、全世界のeコマース売上高が2021年に4.5兆ドルに到達するという予想は、少しも不思議ではない。

オンライン販売を考えるブランドはまず、実店舗とeコマースの違いを理解し、以下に説明する「SMEA」を実行する必要がある。

 

設定(Set Up)–最初のステップは、買い物客が世界最大級のECサイトAmazon、世界最大級のスーパーマーケットチェーンWalmart、米国の小売業者Targetや他のサイトで購入できるように、オンラインに商品を設定することだ。

管理(Manage)–ブランドは商品コンテンツを常に管理し、すべての情報を一か所にまとめ、小売業者や自社のウェブサイトを更新すること。

充実(Enrich)–商品の動画や360度画像のようなリッチコンテンツ(動的なコンテンツ)がない場合は作成し、商品コンテンツの出来栄えを最大限に高めること。

監査(Audit)— コンテンツの準備ができたら、ブランドは小売業者のサイトで更新されたコンテンツを監視し、あるべき姿で表示されているかどうかを確認すること。

 

商品の設定

これまで商品の設定は、手作業とさまざまなスプレッドシートのテンプレートやフォームで行われてきた。このプロセスには、チームがサプライチェーンシステムや商品情報管理(PIM)システム、その他のデータ保管場所から、小売業者独自のスプレッドシートにデータをコピーするという無駄な作業が発生するため、ミスが起きることはおろか、さらに時間やリソースを消費してきた。

さらに厄介なことに、マルチチャネルの小売業者は、実店舗とオンラインで販売する商品の設定を別々に行うことがよくある。これではサプライヤーの仕事は倍増してしまうだろう。結果として、サプライヤーはワークフローを簡素化し、リソースを解放して他の分野に集中するために、新しいアイテム設定作業を自動化することを検討してきた。

 

商品設定に関するサプライヤーの課題は以下の通り:

・商品設定プロセスに必要なデータの収集

・小売業者固有のフォームの作成

・データの正確性の検証

・小売業者に商品設定フォームを送信

・問題の解決

・実際の商品の確保

 

大規模なサプライヤーの場合、最初のステップは最も複雑になることが多い。商品設定データは複数のサプライチェーンシステムに保存され、商品コンテンツは従来の商品情報管理(PIM)およびデジタル資産管理(DAM)システムに保存されている。

 

従来の商品設定

 

これらのシステムは伝統的に、異なるニーズを持つ異なる顧客に対してサービスを提供していた。たとえば、サプライチェーンデータの内外の顧客には、長文で検索に最適化した商品の説明は必要ない。むしろ、寸法、重量、色などの属性データと、短い商品名が必要だ。

同様に、マーケティング部門やブランドマネージャーは、ブランドマーケティングや広告に集中していたので、商品設定データは必要なかった。サプライヤーがすべてのデータコンテンツを1か所にすることが必要になったのは、eコマースが出現した最近のことである。

幸運なことに、今では商品設定データを収集して、複数の小売業者に送信するというプロセスを簡単に行えるツールがある。これらの新しいシステムは、既存のサプライチェーンやPIM、DAMソリューションと統合、または置き換えることもできる。サプライヤーはオンラインで商品を早く手に入れたいので、ジョブをより効率的に実行するために、ソフトウェアツールと自動化を活用していることが多い。

 

コンテンツ管理

商品設定やコンテンツ管理、コンテンツシンジケーション(コンテンツを他の媒体で紹介すること)、デジタル資産管理を一括管理する機能を統合する、自動化への移行に役立つ新しいツールが登場した。これらのツールはコンテンツ管理と商品設定のワークフロー全体を管理するのに役立つものだ。

 

このワークフローは、

・新商品をシステムにロードする

・正しい商品設定データを各商品フォームに追加する

・初めに各商品に十分な商品コンテンツを入力する

・送信に先立って、小売業者が送信に必要なコンテンツを検証する

・商品の前に適切な承認が得られることと、小売業者がコンテンツをプッシュできる

・小売業者が新商品の設定ができる

・商品コンテンツがリアルタイムでeコマースウェブサイトに掲載される

というもの。

 

商品コンテンツに関して言えば、従来のコンテンツ管理ツールの多くはコンテンツを一元管理するのに役立つが、コンテンツを小売業者に配信してくれなかった。結果として、組織はPIMシステムにコンテンツを取り込むために多くの時間と労力を費やすものの、「できない」ことがわかるだけであった。

一方、eコマースを考慮して設計されている現代のPIMシステムは、コンテンツを統合するだけでなく、小売業者に配信することもできる。

 

小売業者が採用する商品コンテンツを受信するさまざまな仕組みは、以下の通りだ:

・サプライヤーがテンプレートや画像をアップロードできるウェブベースのポータル

・Eメール

・ファイルサーバー

・API(コンピューターシステム間の相互接続が可能なソフトウェアインターフェース)

 

小売業者がコンテンツの入手方法を理解することは、複雑なプロセスのうちの最初の一歩でしかない。またサプライヤーは、提供しているコンテンツが小売業者の要件と合っているか確認もしなければならない。要件を満たしていなければ却下されるのだ。

小売業者によって、画像サイズや解像度、およびファイルタイプの要件が異なり、説明、箇条書きの要約、商品名など(その他、さまざまな要件にも適合が求められる)いろいろな分量の“テキストベース”の情報が必要だ。

適切なソフトウェアが無いと、サプライヤーは、各画像が要求された最低サイズかをチェック、もしくは提出前に画像のフォーマットを変更するというような多くの手作業が必要となる。複数の画像を受信できる小売業者もいれば、1つの画像しか受信できない小売業者もいる。つまり適切なツールがなければ、小売業者に「コンテンツを渡す」という作業は、非常に時間のかかる仕事になる可能性があるのだ。

ありがたいことに、最新のPIMシステムは複数のデータからコンテンツを取り込むだけでなく、自動的に小売業者にコンテンツを配信してくれる。直接接続を求めなければ、これらのシステムは完成したテンプレートファイルと画像ファイルの出力を合理化してくれるので、サプライヤーはこれを手動で行う必要がないのである。

一方で、多くの小売業者はシステムを開放し始めている。例えば、Walmartはプロバイダが直接システムに接続できるConnected Content Partner(CCP)プログラムを作成した。これに多くの小売業者が追随する可能性は高い。

 

商品コンテンツの充実

コンテンツを充実させる取り組みは長年行われてきたが、サプライヤー側が商品コンテンツの充実に広い範囲で気を配るようになったのはごく最近だ。

何が変わったのか。それは買い物客の行動だ。今や、実店舗で購入するときでさえ、ショッピング活動をオンラインから始める人が増えている。つまり、優れた商品パッケージと実店舗でのディスプレイだけでは満足させられないということだ。

サプライヤーは「最高のデジタル体験」を届けたいと考えている。これは、検索結果とページ上のコンバージョン双方の商品コンテンツを最適化する必要があるということだ。そのためには、複数の高解像度の画像、動画、リッチメディア、そしてレビューと相まった、検索に最適化された商品名と説明の組み合わせが必要だ。

商品コンテンツの最適化に関しては、サプライヤーは一般的に、購入ボタンが配置されている商品詳細ページ(PDP)の二つの領域を確認する。

まず、「アバブ・ザ・フォールド(スクロールしないで閲覧する事のできる画面領域。ファーストビュー)」のコンテンツには、商品名、説明、画像が表示。この中心となるコンテンツは検索結果に最も大きな影響を与えるので、サプライヤーは特に注目しているものだ。

次に「ビロウ・ザ・フォールド(スクロールしないと見られない画面領域)」だが、この画面に到達するためには、ユーザーがページを下にスクロールしたり、モバイルデバイス上の情報リンクをわざわざクリックしたりしなければならない領域だ。しかし、こうしたコンテンツをページに組み込むことは、買い物客により細かい情報を提供し、コンバージョン率を高めることができることが分かっている。ここには、包括的マーケティングコンテンツや比較チャート、動画、360度商品ビュー画像などが含まれることが多い。

 

伝統的に電化製品のカテゴリーに用いられることが多いのが、リッチメディアだ。最近では多くのカテゴリーのサプライヤーがリッチメディアを活用し始めている。例えとして、米国の食品飲料会社PepsiCoは、最近発売されたスパークリングウォーターシリーズのWalmart.comでのマーケティングコンテンツを強化し、商品ライン全体で充実したコンテンツを活用している。

 

 

このBublyシリーズは新発売なので、コンテンツの充実は特に重要だ。これにより、PepsiCoは買い物客に追加情報を提供し、新商品の提供を伝えることができるからである。

 

ウェブサイトの監査

コンテンツプロセスの最終段階は、監査だ。監査とは小売業者のウェブサイトが稼働しているか検証するプロセスのことである。小売業者は、社内のフォトスタジオやコピーライティングチームなどの内部ソースを含む、複数のソースからコンテンツを受信する。

小売業者は表示するコンテンツの優先順位を決めるために、さまざまなアプローチを行う。また、各コンテンツソースには特定の優先順位を設定するものもあれば、受信したコンテンツを新着順にウェブサイトに公開するものもある。

こうしたことから、サプライヤーは各小売業者に、押し出したいコンテンツを確認することが重要なのだ。

手作業でこの監査を行うには、時間もかかり、さらに毎日繰り返して行わなければならない面倒な作業だ。そのため、監査機能が埋め込まれているソフトウェアプラットフォームが選ばれるのである。

主要なプラットフォームには、以下に示すような視覚的比較ツールを含む、さまざまな自動化ツールがある。

 

ツールでは、組み込まれている画像やテキストの比較機能が、サプライヤーから提出したコンテンツと小売業者のサイトで利用可能なコンテンツとを比較し、それらの違いを特定。結果をサマリーダッシュボードにアップロードして、ユーザーにアラートや通知を直接送信するという仕組みだ。

こうしたツールによって、サプライヤーはワークフローを合理化できるので、数千の商品と多くの小売業者の問題箇所を探すよりも、重要な問題を処理することに集中できる。

 

「SMEA」の実行

デジタルコンテンツを大規模に展開していくのにあたり、PepsiCoや米国にある世界最大級の玩具メーカーのMattelなどの企業は、「SMEA」の4つのステップが最高の結果をもたらすことを理解している。適切なツールがなければ、サプライヤーは相当な数のシステムやテンプレート、商品ページに対応していかなければならない。

適切なツールを用いることでワークフローを合理化できるので、面倒なプロセスに費やす時間を節約し、販売促進に役立つコンテンツを構築するために時間を使うことができるのだ。

 

※当記事は米国メディア「E-Commerce Times」の10/25公開の記事を翻訳・補足したものです。