調査によると、製品について調べたり購入したりするのにスマートスピーカーを使う人は、かなりの数にのぼるとのこと。
ここ1年の間に実施された10数件のスマートスピーカーに関する消費者調査により、その端末がどのように使われているかがわかってきている。米国のソフトウェア会社Adobeは2018年9月10日(月)、最新の調査結果を発表。その結果では、スマートスピーカーが重要で新しいコマースチャネルであるという説を裏付けている。
Adobeは、米国のスマートスピーカーを所有者と非所有者1,000人を対象に調査を実施。スマートスピーカーデバイスを所有しているのは女性より男性が多く、若年成人も所有している率が高い。
この調査で、回答者の32%がスマートスピーカーを少なくとも1台は所有しており、1月の28%からその数が増加していることがわかった。さらに、今年のホリデーシーズン後までに、米国の消費者の約48%がスマートスピーカーを所有すると予測。この数字を米国の成人人口で言うと、1億2,000万人が2019年1月1日時点でスマートスピーカーを自宅に所有しているということになる。
音楽や天気予報以外に利用方法が拡大している音声アクティビティ
Adobeの調査で判明したスマートスピーカーの以下のユースケースは、他の調査結果と類似している。
・音楽を聴く 70%
・天気予報 64%
・面白い質問をする 53%
・オンライン検索 47%
・ニュースをチェックする 46%
・アラームやリマインダー 46%
・一般的な調査 35%
以下はスマートスピーカーの「新しい」利用方法だ。
・電話をかける 36%
・スマートホーム(インターネットなどで繋いだ家電をスマホや音声で操作できる)のコマンド 31%
・ショッピングや商品の注文 30%
・食べ物の宅配やテイクアウト 30%
・フライトやホテルの検索 16%
回答者が、スマートスピーカーの利用方法に限定して質問に回答するべきだと理解しているかどうかは、報道資料や調査結果レポートからははっきりとはわからない。いくつかの項目は、スマートフォンのボイスアシスタントの利用方法に統合して回答された可能性もある。なぜなら、36%もの高い割合のスマートスピーカー所有者が、スマートスピーカーを使って電話をかけていると回答しているからだ。電話はかけたことがあるかもしれないが、スマートスピーカー所有者の日常的な使い方だろうかという疑問は残る。
Adobeは、スマートスピーカーデバイスをショッピングツールとしての利用が多いと結論付けている。以前に実施された調査でも「多くの消費者が、スマートスピーカーを利用して、商品を購入している」という結果を示していた。しかし先月、それらの全ての調査結果は、疑問視されることになった。Amazonの“内部文書”からの情報に基づく報告によると、音声ベースの商取引はほとんど存在せず、2018年にスマートスピーカーを通じて直接購入した人はEcho(Amazonのスマートスピーカー)所有者の約2%しかいないことがわかったという。
Adobeは、幅広いカテゴリにおけるショッピング関連行動についてのスマートスピーカー 利用について質問し、商取引の範囲を拡大している。
ショッピングプロセスでの使用方法
スマートスピーカー所有者のショッピング時におけるボイスアシスタントの使い方
Adobeは、スマートスピーカー からの直接の購入がそれほど多くなくても、スマートスピーカーが購入プロセスにおける重要なチャネルの一つになりつつあると主張している。それは、将来的には真実になるかもしれない。いずれにしてもマーケティング担当者は、スマートスピーカー は、消費者にとって重要で新しい商品検索や発見ツールであると考えるべきであろう。
しかし、今回のAdobeの調査は、オフラインで実際に起きていることよりも、よりアクティブで強気なスマートスピーカーの使用状況を描いているように思える。少なくとも現時点では、そうである。
※当記事は米国メディア「Marketing Land」の9/11公開の記事を翻訳・補足したものです。