ファッション小売ブランドH&Mが、即日配送サービスを試験しているという。現在のところ対象はベルリン在住の顧客のみだが、これが成功した場合、他の都市や国にもサービスを拡大する可能性もあるとのこと。
ドイツメディアTextilwirtschaftは、H&Mが現在ベルリンで即日配送をテスト的に行っていることを報じた。即日配送は、午前10時より前の注文にのみ適用され、対象となる注文は同日の午後7時から午後10時の間に配送されるという。
H&Mは即日配送のために5.99ユーロの配送料を請求。これは標準的な送料よりもわずか1ユーロ高いだけである。報道によると、H&Mはベルリンでのテストが成功したら、他のドイツの都市にサービスを拡大することを計画しているとのこと。さらに言えば、このスウェーデン発の小売り企業H&Mは、現在ドイツ内のいくつかの都市で翌日配送サービスを提供し始めているようだ。
配送遅延に関する苦情
今回の即日配達テストは、H&Mにとって危機的な時期に実施されていると言える。というのも、H&Mはヨーロッパにおいて、期待よりも配送に時間がかかるという深刻な苦情を消費者から受けているところだからだ。また、顧客が会員サービス「H&M CLUB」のメンバーでない場合、通常配送についても配送料を請求している。これに対し、たとえば競合の大手オンラインファッション企業Zalandoの場合、通常配送には料金を請求しておらず、翌日配送の場合に5.9ユーロの料金を請求している。
H&MはZalandoのような競合他社に勝てる
このように、もしH&Mが即日配送サービスを提供し拡大することに成功すれば、ドイツにおける競合他社に勝てる可能性も見えてくる。そして長期的には、ドイツ国内にとどまらず、欧州におけるeコマース業界で、決定的な優位性を得ることができるかもしれない。
※当記事はEUメディア「E-Commerce News」の7/16公開の記事を翻訳・補足したものです。