動画マーケティングで売上を確実に作るために考慮するべき3つのポイント
YouTubeなどの動画プラットフォームの存在感が増し、FacebookやInstagramなどのソーシャルメディアのタイムラインにも自然と動画が増えてきた。そのような環境の中で、EC事業者も動画を活用したマーケティングに着手する企業が増えてきている。しかし、そのマーケティング手法はまだまだ黎明期とも言えるため、どのような手法でどのような成果が出るのか分かりにくい部分も多い。そこで今回は、動画マーケティングでしっかりと売上を上げていくための方法を考えていきたい。
※この記事は、動画マーケティングサービス「AETAA動画マーケティング」を展開するギャプライズ社から情報提供を得て作成した、動画マーケティングの1手法を紹介した記事である。ここで紹介する事例を含むAETAA動画マーケティングに関する資料は以下からダウンロード下さい。
動画マーケティングはそもそもカスタマージャーニーのどこにFITするのか
認知から興味関心、検討、購入、そしてリピートに至るまでのカスタマージャーニーにおいて動画マーケティングはどのような効果を示していくのだろうか。まず、動画マーケティングの特徴を考えてみると、動くクリエイティブへのアテンション(認知)はもちろんのこと、画像クリエイティブに比べてインプレッションやエンゲージメントの効率が非常に高い。そのため、興味関心ステップのユーザーや検討ステップのユーザーにも幅広くFITすることが可能だ。そのような特徴から新商品のリリース時だけでなく常時的なブランディングにも非常に効果が高いと言われている。 未認知ユーザーから興味関心ユーザーまでに配信を実施し、検討ステータスのアクションまで顧客の「態度変容」を引き起こしていくことを目的に利用することで効率的な活用が可能になる。
それでは、そのようなステップにFITする動画をどのように作り、露出し、アクションに繋げていけばいいのだろうか。3つのポイントに分けて見ていこう。
ポイント1:見てもらう動画の作り方
今や動画が拡散するプラットフォームはソーシャルメディアのタイムラインがほとんどだ。そのため動画を作成する際には、タイムラインの数秒でいかに閲覧者の興味関心を得られるかがポイントになってくる。そしてその興味関心をしっかり継続してもらい最後まで閲覧してもらい、アクションに繋げてもらうために必要な動画の作り方のポイントを見ていこう。
既存の素材を活用してコストを軽減
まず、動画を制作するというと、コストがすごくかかるイメージがある。そのため動画マーケティングにおいてボトルネックになるケースが多いのが、制作コスト面だ。しかし最初からかなりしっかりとしたものを必ずしも用意する必要はないだろう。活用できる既存素材があるのであればそれを再編集した動画から着手することをおススメする。また、ターゲットとなる閲覧者がしっかり見てくれているのか、というのは詳細は後述するが複数のクリエイティブを準備して繰り返しテストしていく必要がある。そのため、そのテスト用の複数の動画制作コストという側面からも既存の素材の活用というのは重要なポイントとなってくる。
動画のサイズ
動画というと、TVやソーシャルメディアのタイムラインのイメージから横長の4:3や16:9を想起する人も多いだろう。しかしここ一年程度で急激に縦長の動画が浸透してきている。その背景にはユーザーがスマホで動画を撮影する機会も増え、縦長の動画に対して抵抗が無くなってきていることが考えられる。実際にある外食企業のソーシャルメディアアカウントで配信した1年間の全投稿広告において、エンゲージメント率の上位10クリエイティブのうち、縦長の動画と画像が60%を占めるというデータもある。動画投稿の広告がソーシャルメディアのタイムラインに流れる場合、縦長の方が画面を独占することができるという点でも、正方形や縦長の動画を作ることを前提に考えてもいいだろう。
尺は短く
動画を作り出すと、せっかく作るのだからと言って「ここのシーンも入れたい」「この商品もいれたい」というような要望が増えてきて、動画が長くなることが非常に多くなる。しかし、ソーシャルメディアにおいて、ユーザーがタイムラインで動画を視聴してもらえる時間が非常に限られている。また、タイムラインをスクロールするせっかちなユーザーの興味関心を冒頭のつかみでうまく引くことに成功したとしても、動画はコンパクトにまとめることが重要になってくる。ストーリー性のある長尺の動画であっても、ソーシャルメディアのタイムラインで配信する場合には、再編集をして短くする方がいいだろう。あくまでソーシャルメディアはユーザーにとって広告をじっくり見るための媒体ではないことをしっかりと意識し、次のアクションを起こしやすい簡潔な動画作成を心がけるべきだ。
ラストシーンは、次アクションを促す要素を入れる
ソーシャルメディア上ではそのタイムラインの仕様上、動画よりも静止画の方がサイト遷移と言うアクションに繋げやすくなっている。しかしだからと言って動画について視聴以外のエンゲージメントを諦める必要はないだろう。必ず動画の最後に次のアクションを促すカットを入れることで、視聴以外のエンゲージメントを見込むことが可能だ。動画を見終わった達成感でユーザーが離れてしまわないように、何をするのか教えてあげるといいだろう。
これらを考慮した既存動画からの動画作成事例を見てみよう。
◆Beforeの既存動画
◆After動画パターン1
◆After動画パターン2
◆After動画パターン3
ポイント2:動画の露出拡散方法とチューニング
オンラインマーケティングにおいて動画をどのように効率的に露出し拡散していくのか。そしてその成果を確認しながらどのようにチューニングしていくのか、そのポイントを紹介する。
ソーシャルメディア広告の活用と適切なターゲット設定
フォロワー数をそこそこ抱えたソーシャルメディアアカウントであっても、動画を単に投稿しただけでは十分なオーガニックリーチを得ることはできない。そのためソーシャルメディア広告での拡散が欠かせない。ソーシャルメディアの広告はFacebookなどを中心に一般的には、ユーザー属性を詳細に設定することが可能だ。エリアだけでなく、年齢・性別・属性のセグメントを非常に細かく設定できるため、サービス・商品を求めている顧客を詳細にセグメントし、配信することができる。しかし、逆に詳細にセグメントしすぎてリーチできるオーディエンス数が少ない場合は逆効果だ。そのため、セグメントされたオーディエンス数が少ない場合は、類似オーディエンスを作成し、広告コストに対して適切なサイズのセグメントに配信最適化していくといいだろう。
また、どのような投稿であっても広告の配信テストを実施し、どのようなユーザーが商品やサービスについて情報を求めているかを分析することで広告の効率が上げていく必要がある。
複数動画でターゲットのリアクションをテスト
動画の作り方は前述したようにある程度方法論はあるものの、やはり商材やターゲット、タイミングによってもユーザーの反応は変わってくるものだ。そのため、可能であれば“つかみ”や構成や構図を入れ替えたものを複数用意すると効果が上がりやすくなる。ソーシャルメディア上で同じターゲットに対して複数の動画を配信することで、ユーザーがどんなシーンに反応するかテストすることができる。
例えばフジボウアパレルでは、元々の動画素材をベースに3種類の動画クリエイティブを展開。縦長動画に変え、アンケート全面、アンケートと下部にバナーを組み合わせたもの、アンケートをなくし下部にバナーを組み合わせたものをテストした。その結果、ユーザー共感を覚えるアンケートシーンから始めた方がクリック率が圧倒的に高いという結果が出た。このように特につかみの部分でユーザーの手を止め、次のアクションを促進するクリエイティブを見つけていくことは成果をしっかり作っていくためには欠かせないプロセスといえよう。
FacebookとInstagramの特性を理解する
動画の拡散にはソーシャルメディアは欠かせないが、その中でも2つのメディアに同時に配信を行えるFacebookとInstagramが媒体としては現時点では一番効率的だろう。商材にもよるが、FacebookだけでなくInstagramユーザーへの認知を広げることが現時点では一番重要なポイントになってくるだろう。2018年3月時点、拡散力では圧倒的にInstagram Storiesの広告が配信効率がいい。
しかしこれは全てのケースにあてはまるわけではなく、Facebookの方が効率が高いケースもある。これはキャンペーンを始める前の段階で、そのブランドや商品がそれぞれのソーシャルメディア上のユーザーにどの程度認知されているかによってくるのだ。
Instagramは、まだまだ若いユーザーが集まっている媒体のように捉えるケースも多いが、国内でアカウント数は2,000万人を突破し、Facebookの2,800万人と遜色ないレベルまで浸透してきている。また、配信効率も高く、若いユーザー以外からの購買も発生しているというデータもあり、動画マーケティングにおいてはInstagramを攻略することがキーポイントになってくるだろう。
ポイント3:コンバージョンを作る
動画マーケティングを行う上で問題になる最後の、そして一番大きな点は、効果の考え方だろう。効果をしっかり定義し、そこからさらに踏み込んでしっかり売上という最終コンバージョンを作っていくためにはどのようなことを気を付けていくべきだろうか。
KPIを定義する
前述のポイント2でのチューニングの精度を高めるためにも、ただ単に再生数だけをKPIにするのは危険だ。閲覧されただけではちゃんと認知されたか分からないし、どれだけ購入に繋がったのかも分からないからだ。動画に接触したユーザーが興味を持ち、購買意向を持ったであろう行動をKPIとして設定する必要がある。これは対象商品などによって変わってくるが、一般的には動画を10秒以上視聴し、その先のランディングページに60秒以上滞在したユーザー、などと定義していく。すなわち、動画の視聴時間と、商品ページの滞在時間からグルーピングしていく。
このように、動画への接触だけでなく能動的に情報取得していると判断できる基準を定義して購買意向を持っていると判断していく。
例えば、某メーカーで動画閲覧後に、商品ランディングページを経て、ECサイトの価格を閲覧したユーザーを購買意向を持っているとして設定したところ、CPAが商品単価の1/200となるなど、他の広告手法に比べて非常に良い値を記録している。
動画を2段階で提供する
動画マーケティングでしっかりと売上というコンバージョンを作っていくためには、認知目的の動画と、コンバージョン目的の動画の2段階に分けて提供していくと良いだろう。初期の認知目的の動画から、上述したような考え方で例えば動画10秒以上視聴と60秒以上ランディングページに滞在したユーザーを購買意向ユーザーとして選別する。そして動画の構成を変えたコンバージョン目的の動画をそのターゲットに対して配信することで、コンバージョンをしっかり作っていくことが可能になる。
例えば、某アパレルメーカーでは他の広告手法に比べてCPAが48%も改善するなど非常に高い効果を示している。
動画マーケティングを成功させるために
成果が見えにくい動画マーケティングは、初期に投資が嵩むことが多いため着手しにくいことも多い。しかし、動画の作り方の基本をおさえ、適切なチャネルを使って拡散し、KPIを定義し、動画を段階的に提供することで高いCPAを得ることが可能になる。単発の動画だけで成果をイチかバチかで出すのではなく、継続的にA/Bテストを繰り返し、潜在顧客が購入検討フェーズに移っていったのか、行動変容したのか、を見極めていくことが重要といえよう。これらのことをしっかりと理解した上で、動画マーケティングを進めていきたい。
※この記事は、動画マーケティングサービス「AETAA動画マーケティング」を展開するギャプライズ社から情報提供を得て作成した、動画マーケティングの1手法を紹介した記事である。ここで紹介する事例を含むAETAA動画マーケティングに関する資料は以下からダウンロード下さい。