2017年10月のリリース以来、ブランドやインフルエンサー、一般ユーザーから肯定的な反応を得ている写真共有アプリInstagramの新しい「投票」機能。Instagramの他の新機能よりもこの投票機能を利用している人が多いだけでなく、一般的なコンテンツ投稿に比べ、注目すべきエンゲージメント率を誇っているのだ。
事実、Instagramの通常の投稿に反応するのはユーザーの平均5%に対し、写真や動画を短時間シェアする機能Instagram Storyに投稿されている投票には10~17%が回答することが分かっている。
ブランドやマーケティング担当者は、インフルエンサーを通じて、好評を博しているこの投票機能を大いに利用すべきである。大多数がインフルエンサーと呼ばれる我々の87,000人以上のフォロワーを調査したところ、インフルエンサーの66%がすでにInstagramの投票を試みていたことがわかった。また、まだ利用していない人の中でも、87%が将来的な利用を検討している。これはコンテンツやプラットフォームの機能をいち早く試すインフルエンサーが新機能を使い始めれば、そのフォロワーも利用していくことを意味する。
ではここで、今後ブランドがインフルエンサーと協力し、投票機能を利用していくべき理由のいくつかを説明しよう。
※これはブログ整理プラットフォームBloglovinが運営するプラットフォームActivate by Bloglovin’のStrategy & Business Development部門長Kamiu Lee氏による投稿記事である。
オーディエンスエンゲージメントの拡大
はっきりとした行動喚起があるため、Instagramのユーザーは通常の投稿よりも「投票の投稿」のほうが興味を持つ傾向がある。つまり投票を行うことはブランドが実際にオーディエンス(サイトやコンテンツに興味のある人)を巻き込むのに最適な方法なのだ。インフルエンサーによる投票のスポンサーに付くことで、興味を持たれていなかったオーディエンスに対してもブランドが関わっていくことができる。
スポンサーが付いた投票は、真のエンゲージメントと貴重な消費者のフィードバックがもたらす利点と並行して、標準の「いいね!」や「コメント」とは異なる価値を提供。ブランドは、インフルエンサーの投稿のエンゲージメントを測るさまざまな方法を絶えず模索しているが、この投票機能は分かりやすい測定方法の一つなのだ。
例えば、アパレルブランドがインフルエンサーと協力してさまざまな「コーディネート術」を作ったとしよう。このうちどれが好みかフォロワーに投票してもらうことによって、新しいラインアップのプロモーションができるのだ。このアプローチはブランドの製品に不可欠な「露出」を提供するだけでなく、ユーザーがインスピレーションを得て関心を持つきっかけをも提供する。その他旅行業界においても、航空会社やホテルチェーン、海運会社やメタサーチ会社などどの企業であっても、インフルエンサーを活用して「旅行で最も行きたい場所」や、「旅行の際の必需品」に関する忌憚のない意見を聞くことができる。
消費者のフィードバックを集める新たな方法
インフルエンサーはいつも、フォロワーが面白いと思った投稿や好きな製品やサービスについてフィードバックを求めて呼びかけている。私たちのネットワーク内の何十人ものインフルエンサーとの対話によって、現在ほとんどのインフルエンサーがコンテンツ企画のためのツールとして、投票機能を使用していることが明らかになった。米のブログAww SamのSam Ushiro氏は、フォロワーに「もっと見たい」と思うコンテンツを尋ねることで投稿を吟味するために、この投票機能を利用しているという。
常に消費者の意見を得るために、ソーシャルメディアを通じて製品やサービスに関する会話を積極的に検索しているブランド企業だが、Instagramの投票機能によって、顧客から有益なフィードバックを得ることができるのだ。そして、建設的で、消費者主導の製品の強化や創造につながる具体的な質問を可能にしていく。
ブランドはインフルエンサーと協力して投票機能を利用することで、消費者の関心を測ることも可能。特に、新製品の発売や既存製品を繰り返し販売する際などは有益である。例えば、美容ブランドは、アイシャドウパレットのような製品の色や仕上がりなどの詳細についてターゲットオーディエンスの好みを明らかにするために、インフルエンサーの協力を得てフィードバックを集めることができる。さらに一歩前進して、ブランドが製品設計プロセスにこのフィードバックループを組み込むと、インフルエンサーと消費者の間でブランドロイヤルティも高めることができるのだ。
インフルエンサーを通じて会話を深める
トップのインフルエンサーはフォロワーとより密な関係を構築しようと努力しているため、インフルエンサーの意見やブランドと協力して決定したことは、ブランドが独自のチャネルを通じてメッセージを発信するよりもはるかに重要だ。インフルエンサーによる一人称視点、そして承認は非常に貴重なことなのである。
ブランドとインフルエンサーの間に強い親和性がある場合、インフルエンサーのフォロワーは信頼できる第三者を通じて関与し、行動し、正直なフィードバックを提供する傾向が強くなることがわかる。
まだ比較的新しいサービスである「投票」機能。インフルエンサーとユーザーの両方が強い関心を集めていることを考えると、ブランドとマーケティング担当者は、インフルエンサーやソーシャルメディア戦略にこの「投票」を組み込むことを検討するべきなのである。インフルエンサー達はオーディエンスをよく理解しているので、ブランドは新商品のコンセプトが正しいか、またそもそも「投票」のような新しい機能を利用した方が良いのかどうか、彼らの判断に委ねることもできるだろう。
※当記事は米国メディア「Mobile Marketing Watch」の12/22公開の記事を翻訳・補足したものです。