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【米国】2018年、インフルエンサーマーケティングはどのような進化を遂げるのか?

【米国】2018年、インフルエンサーマーケティングはどのような進化を遂げるのか?

トレンド
2017/11/24

米マーケティング会社Buzzweb、CEO兼共設立者Alexander Boykov氏による「インフルエンサーマーケティング」の2018年の展望とは

5年以上前のマーケターの間では、「インフルエンサーマーケティングは一時的なチャネルに過ぎず、ターゲットユーザーにアプローチするためには他のチャネルに焦点を絞るべき」だと広く信じられていた。しかし実際には、デジタルとOTT(動画、音声などのコンテンツサービス。Over The Top)の出現により、印刷物やテレビといったメディアへ費やすマーケティングコストは次第に減少し、インフルエンサーマーケティングは消費者へリーチ可能な最も効果が高い手法の1つとなった。データ活用とAI(人工知能)が高度化するにつれ、マーケティングモデルの精度は上がり、企業のROI(投資収益率)は向上している。2017年が終わりに近づいているが、2018年のインフルエンサーマーケティングはどのような進化を続けるのだろうか?

 

マイクロインフルエンサーの登場

2018年には、より有益な消費者層をターゲットとするために「マイクロインフルエンサー(フォロワー数が10,000人前後で、中小規模特有のコミュニティで、強い影響力を持つインフルエンサー)」を利用する企業が増加するだろう。ここ数年間、企業はより多くのフォロワーを持つインフルエンサーの獲得を目指してきた。しかし最近では、高いエンゲージメントを獲得し最大の効果を得るために、どういったインフルエンサーと連携すべきかということを、より重要な判断基準としている。リーチの範囲というよりも、企業の販売パイプラインに影響を及ぼす適切なターゲット層にリーチすることが本来のエンゲージコンテンツの役割なのである。

 

1回きりの投稿ではなく、長期的な関係の持続が重要

中には、1回きりの投稿ではなく、より長期的なインフルエンサーとの関係性を重要と考える企業も増えるだろう。1回の投稿でも効果を上げることは可能だが、マーケターにとって、最も費用対効果が高い手法とは言えない。企業からのメッセージが浸透するまでには、時間と繰り返しが必要だ。広いリーチが可能なインフルエンサーによる1回の投稿は、短期間で多数のユーザーに対して露出されるが、必ずしも持続的な効果をもたらすとは限らない。インフルエンサーと長期的な関係を構築することにより、企業はメッセージを絶えず発信することができる。また、長期的に見て利益がある関係が築ければ、より信憑性があると消費者が感じるメッセージを発信することが可能になるだろう。

 

量より質

FCC(米国の連邦通信委員会)による明確な広告表示や免責事項表示に関する法令が施行されれば、ソーシャルメディアユーザーは、閲覧しているコンテンツのうち、スポンサー付きコンテンツが占める割合が高いことに驚くだろう。結果として、インフルエンサーマーケティングの効果が必ずしも低下するわけでないが、広告主とコンテンツ開発者やインフルエンサーとのより緊密な連携が必要となるだろう。スポンサー付きの投稿であっても、より信憑性を持たせ、インフルエンサーの通常の投稿と同じくらい自然に見せることで、広告であると表示されていても他の投稿と調和し、魅力的なコンテンツとなり得るのだ。結果としてより質の高いコンテンツが制作されることになり、質の高いコンテンツを制作するインフルエンサーが、高いメディア収入を得ることになるだろう。

 

予算の急増

2017年には、企業からより多額のメディア関連費用が、10億ドル規模のインフルエンサーマーケットに流入した。先日Instagramが、右から左に書く言語(アラビア語、ペルシア語、ヘブライ語など)への対応開始を発表したことにより、新しいソーシャルメディアユーザーをターゲットとするためのインフルエンサーマーケティング予算は増加し続けるだろう。世界で4番目に多いアラビア語使用人口へのリーチが可能となり、企業は新たなターゲットを最初に獲得すべくこのビジネスチャンスに飛びついている。

 

わずか5年間でインフルエンサーマーケティングは驚くほどの進化を遂げており、これからもさらなる発展を続けることは間違いない。企業にとっての可能性は無限である。特に、機械学習機能を伴ったより高度なテクノロジーがインフルエンサーの選択を容易にし、より高いROI(投資収益率)をもたらすインフルエンサーとの提携を可能にしている。2018年のインフルエンサーマーケット向け予算はすでに確保されており、その成果が楽しみである。

 

※当記事は米国メディア「Mobile Marketing Watch」の11/16公開の記事を翻訳・補足したものです。