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「新しい美の体験」をデザインする、ビューティーエクスペリエンスのオンラインブランディング

「新しい美の体験」をデザインする、ビューティーエクスペリエンスのオンラインブランディング

ノウハウ・ツール
2018/03/19

私たちの印象に、実は大きく影響している髪。ヘアカラーについて最近のトレンドをご存知だろうか。ファッションにこだわる消費者の間でここ数年注目を集めているのが”透明感”というキーワードだ。

その透明感を表現できると、多くの美容師のブログで取り上げられ、支持されているのがTHROWカラーだ。日本人の髪質では表現しにくい透明感を実現するこのカラー材の開発、販売を行っている会社が、今回紹介する株式会社ビューティーエクスペリエンス。ビューティーエクスペリエンスは今年で創業43年目のヘアケア化粧品メーカーだ。現在はBtoB、BtoC双方の事業を推進し、ヘアサロンなどで使用される製品だけでなく、ドラッグストアやバラエティショップで販売している製品の企画・製造を行っている。

今回は、株式会社フラクタの協力のもと、ビューティーエクスペリエンスにインタビューを実施。現在に至るまでの会社の歩みや、EC事業におけるブランディングの取組や今後の展望を紹介していく。

 

 

 

 

単なるモノを売る会社でなく、美の体験を売る会社へ

 

1970年代、女性のヘアファッションはパーマ全盛の時代だった。創業社長である福井耀氏は「パーマで傷んだ女性の髪を、美しく健康にしたい」という想いから、1975年、現在の株式会社ビューティーエクスペリエンスの前身である株式会社モルトベーネを創業。「髪。より美しくより健やかに」を経営理念に、サロン向けヘアケア製品の製造・販売というBtoBビジネスの展開を開始。その優れた品質から、徐々に美容師や消費者からの支持を獲得。

創業してから10年ほど経った頃、それまでの技術の蓄積を生かしてBtoC事業にも着手。「ピュアナチュラル」など20年続くロングヒット製品を生み出したことで、日本のヘアケアメーカーとして確固たる地位を築いた。

その基盤を引継ぎ、ロレッタハニーチェTHROWカラーなど、トレンドをとらえたブランドを次々と生み出したのが、現社長の福井敏浩氏だ。

ハニーチェは、ダメージを受けた女性の髪も心も前向きにさせるハチミツ生まれのナチュラルケアブランド

創立40周年を迎えた2015年4月、モルトベーネは、現在の社名である株式会社ビューティーエクスペリエンスへと社名変更。きっかけはクリエイティブディレクターである佐藤可士和氏と社長の福井氏の対話だという。当初、会社の創業40周年記念のロゴデザインの依頼を受けていた佐藤氏は、福井氏と話を進めていく中で、会社の今後の発展を考えると社名を変更したほうが良いのではないかと提案を行なった。複数回にわたる打ち合わせの中で、福井氏は「単なるモノを売るだけでなく、美の体験をデザインする会社にしていきたい」という意向を明確に提示。それに伴い、今までの理念をブラッシュアップした新たな企業理念「人生に、新しい美の体験を。」が浮かび上がってきた。このミッションのもと、時代に合った方法で消費者に製品を届けていこうと、リテール事業ブランドのEC展開に着手した。

 

 

EC事業の環境を整えるところからスタート

 

ビューティーエクスペリエンスは約7年前の2011年からEC事業に参入。展開当初から自社サイトと楽天での販売を行っていた。しばらくはメンテナンスが後手に回り、サイト上の情報が古くなり終売になる製品が目立つところに出ていたり、新製品が載っていないといった問題点を抱えていたが、2016年頃からEC運営に関わる人員を配置し、推進体制を整えた。まずは売場に製品がない状況を解消するために、こまめなメンテナンスを行える体制づくりをおこなっていった。とりわけサイトに掲載する製品を整理したことは目に見える効果を生み、売上UPに貢献することになった。さらに、サイトの作りが古くなっていたことから、見た目を整えるサイトリニューアルも実施した。

それでも、ブランディングにおける問題が残っていた。潜在顧客をうまくブランドサイトへ誘導することができていなかったのだ。オンライン上のコンテンツ同士のリンクが薄く、ユーザー接点が分散していたのが原因であった。

このような中、「新しい美の体験」を追及するビューティーエクスペリエンスとして、お客様がブランドに初めて触れてから購入しご使用になるまでの体験を一貫してブランディングし、快適にしたいという思いから、ECツールの変更を検討した。「いつ来ても旬な情報があるブランドサイト」「欲しいと思ったらその場でカートに入れられる便利なブランドサイト」が理想だ。ユーザーの導線の最適化、デザイン性、旬な外部ツールへの対応度を選定基準に、複数のツールを検討した。その中で選択したのがフラクタ。ビューティーエクスペリエンスが目指すサイト作りに最も適したツールであると判断したことが決め手となった。

 

 

フラクタとの契約と社内プロジェクトでセッション数は前年度比140%増

 

フラクタとの契約は2016年の11月にスタートした。2017年3月に予定されていたハニーチェブランドのリニューアルに向けて、11月末から2月までの約3ヶ月という短期間で、契約開始からサイト公開まで一気に実施した。制作スコープの明確化と、フラクタサイドの迅速な対応によりスケジュール通り2月のサイト公開に漕ぎ着けた。

公開後、サイトのセッション数は前年度比140%まで伸び、ECサイトの売上も向上した。なにより、散らばっていた顧客接点を集約し、お客様に一貫したブランドメッセージを伝えられることがメリットだという。

ブルーリアはサロンメーカーの技術により作られた美髪を引き出す地肌ケアブランド

 

 

 

新しい取り組みで、お客様の体験を快適なものに

 

今後は「どのようにユーザーを確保するか」という点に力を入れていきたいという。例えば、LINE@やSNSといった、ユーザーがコンテンツを作ってくれるような地盤を使ってユーザーとのコミュニケーションを増やしていく検討をしている。また、現在は自社サイトと楽天の2店舗での出店だが、モールが違えば、ユーザーの属性も異なるということから、各ショップに合わせたブランディングやリスティングも検討している。

EC事業においては、まだまだ入り口に立っているに過ぎないというビューティーエクスペリエンス。世の中に出回っているECサイトに関するサービスやツールをまだまだ活用しきれていないのが現状で、今はEC事業で実際にどのようなツールを使うべきか優先度を定めるべくテストを行っているという。今後はリスティングに関しても、よりCPAが良いものに寄せていくなど、さらなる改善を意識しているそうだ。

また、他社とは違った面白い取り組みをやっていくことを考え、利用者に製品の性能以外の面でも楽しみやわくわく感といったものを提供することを目的として、現在はアプリゲームを提供する企業との協働なども積極的に行っている。

「人生に新しい美の体験を」生み出すべく、時代に合わせた新しいことに挑戦するビューティーエクスペリエンスは、将来的にはお客様の体験全体を快適にしていきたいということを念頭に、新鮮な美の体験を追求していく。

▲左から順に、株式会社フラクタ WEBプロデューサー 木村俊朗氏、株式会社ビューティーエクスペリエンス 経営企画部部長 関彩氏、取締役専務執行役員CFO 船津修氏、経営企画部 EC主任 輿石隼人氏