モバイルデータと分析会社App Annieのレポートとrecode.netのデータによると、2017年上半期、米国のモバイルユーザーはショッピングアプリを月に平均50分間利用することがわかった。
これは1年間で600分、つまり10時間分に相当する。また、インド人は毎月平均ショッピングアプリで75~80分の時間をかけるとのこと。これは、デジタル先進国と言われているアメリカ、イギリスや日本を超え、世界3位の値だ。韓国は90分で1位、インドネシアが2位となっている。
米国ではAmazonが突出もAliExpressが急追
米国市場を見ていこう。レポートでは、これらのアプリを「dgital-first(デジタル・ファースト)型」(この分野ではAmazonが上位2位を占める)と「brick-and-click(実店舗)型」(この分野はウォルマートが牽引)の分野に分けて検証。前者は月間平均19回利用されるが、後者は12回だった。また、主にWiFiから接続されており、これは自宅や職場からアクセスしていることを示唆する。
興味深いことに、外出時の利用の場合は70%の確率でbrick-and-click型アプリを利用している。
米国ではMAU(月間アクティブユーザー)の数ではAmazon社が突出しており、2番手のショッピングアプリWish社の9倍のユーザー数を獲得している。Amazonの成長スピードはその他の国でも早く、韓国、インドネシア、日本、ドイツ、イギリス、アメリカ、オーストラリアとフランスの9ヵ国の市場で現在トップ5に入っている。
しかし、こうしたAmazon社の独占は、eBay形式のマーケットプレイスであるAliExpressを有する中国の大手Eコマースアリババ社によって浸食される可能がある。現在、AliExpressは米国内で4位に位置しているが、アプリのダウンロード数は世界で前年比80%増、MAUは25%増と大幅に成長している。その結果App StoreとGoogle Payでのダウンロード数は世界で5,000万に達している。そのうち、インド、ロシア、ブラジルなどのEC新興国が主要なダウンロード国となっている。また、オーストラリア、ドイツ、イギリス、アメリカ市場ではよく利用されるアプリトップ5に入っている。
クリスマス前のショッピングシーズンを見据えApp Annie社は、Android携帯でのショッピングアプリ利用時間について米国内で40%の成長を推測。理由としては、アプリ利用特典に加え、実店舗との連携が比較的多いことが挙げられる。
レポートでは更に、ユーザーがEコマースブランド名を検索した際に検索結果上位にライバルサイトが表示されないよう、ブランドは「防衛的」なApp Store検索広告に投資するだろう、と予想した。
インドではFlipkart、PhonePe、Paytm
米国以外の国で目立った動きを見てみるとインド市場も興味深い。AmazonはインドのEC市場を牽引しているが、インド人が最もよく利用しているショッピングアプリはFlipkart、PhonePeとPaytmである。アリババ傘下の海外向けECサイトAliExpressもインド市場に力入れているが、まだトップ5には入っていない。
App Annieによると、2017年上半期、世界でApp StoreとGoogle Payでのショッピングアプリのダウロード数は前年比20%増。一人当たりのモバイル端末では平均30アプリを持ち、そのうちの2〜4はショッピングアプリである。また、毎月平均でショッピングアプリにかける時間は1人あたり35分である。2021年、世界全体でショッピングアプリにかける時間は3.5万億時間にのぼる見込みで、世界のモバイルECの営業収益は6兆ドルに達すると予測している。
そして、アジア地域は今後の主要なアプリ利用市場である。また、アジア地域はヨーロッパ地域と比較すると、アパレル、電子製品などの商品にかける時間がより多くなる見込みだ。
※当記事はオンラインメディア「Mobile Marketing Magazine」の10/13公開の記事と、中国メディア「雨果網」の10/19公開の記事を和訳・補足したものです。