「フォーブス」誌は今年6月までの1年間で、最も稼いだYouTuberのリストを公開した。パロディビデオとゲームビデオの制作で人気を得たYouTuber「PewDiePie(ピューディーパイ)」が一位となった。アメリカのマーケティングリサーチ会社ACニールセン、オンラインデータベースIMDb(Internet Movie Database)及びYouTuberへのインタビューなどによると、PewDiePie は5,000万人のファンを持ち、1年間の収入は1,500万ドル(約17億円)である。
2位となったRoman Atwoodは視聴回数が増加し、収入も昨年より70%増加した。またYouTuberの収入の底上げもなされ、10位の収入も昨年の2倍となっている。収入源は主にティザー広告やプロダクトプレイスメント広告などである。Instagram上で1,300万人のファンを持っているScott Disickの広告は1.5〜2万ドル(約200万円)であるが、中国国内の“網紅”ほど高くない。
現在、YouTuberは新しいビジネスを開拓しようとしている。例えば、CD・本の出版、オンラインショップ、自分で作ったブランドの商品の提供などだ。昨年の同ランキングのトップ10のYouTuberのうち4人は実際に本を出版している。今年、一位となったPewDiePie は自分の名言を集めて出版した本“This book loves you”は11.2万冊も売れた。5位のRosanna Pansinoはレシピを集めて紹介した本が単価18ドル(約2,070円)で、12万冊の売上を記録。しかし、出版契約などによって、収入が違うので、実際のところ本の出版によってYouTuberがどのぐらい稼いだかは分からない。2011年化粧品ブランドIpsyを創立したYouTuberの化粧達人Michelle Panは昨年ランキングの7位となり、収入は300万ドル(約3.5億円)で、Ispyの年間売上高は1.2億ドル(約140億円)である。
そのほか非広告の収入の選択肢も広がりつつあるようだ。PewDiePieはオンラインショップを開いて、服を売り始めた。また2014年末、PewDiePieはLegend of the BrofistとTuber Simulatorという2タイトルのゲーム開発にも協力し、Tuber Simulatorはユーザーが多すぎて、一時的にクラッシュしたほどだった。
それと比較すると、中国国内の網紅の収入源は単一である。主に、広告+ECである。
全体的に、今年のYouTuber収入ランキングトップ10のうち、6名は昨年のランキングにも入り、YouTuberは比較的に安定的に人気を得ているといえるだろう。
広告会社TuberMogulのデータによると、2012年まで、YouTuberは千回の閲覧数ごとに9.35ドル(約1,000円)をもらえていたが、その後7.6ドルに減少した。また、ビデオの中で不適切な言葉や卑猥な言葉が出てきたら、YouTubeはそのビデオ中の広告を撤去する対応を行っている。それらのことが一部のYouTuberは不満と感じているようだ。
一方で、YouTubeはYouTuberの活性化にも力を入れており、総額1億ドル(115億円)に及ぶ投資を行い、例えばPewDiePieにはアプリケーションの開発支援をした。
しかし、人気のある一部のYouTuberはYouTubeから離れて、他のプラットフォームで活躍することも珍しくはなくなってきた。PewDiePieも、YouTubeの広告制度に疑問を持っており、予約閲覧ユーザー数が5,000万人超え、ビデオ毎に閲覧数が200万回超えたら、元のアカウントを削除し、やり直すと表明したが、真偽のほどは不明だ。
※当記事は中国メディア「Ebrun」の12/08公開の記事を翻訳・補足したものです。