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オンラインでの「衝動買い」のムーブメントはそこまできている - Sumally、WEAR、Antennaが提案するワクワク感

オンラインでの「衝動買い」のムーブメントはそこまできている - Sumally、WEAR、Antennaが提案するワクワク感

トレンド
2014/04/11

オンラインでの「衝動買い」のムーブメントはそこまできている

 

実生活では、街中をふらっと歩いているときに目に飛び込んできた商品に興味を持ち、ついつい購入してしまうこともある。しかしネット上でモノを買うとき、ユーザーはECサイトを探し、よく行く(楽天やAmazonに代表される)大型モールで商品を探す、というスタイルが染み付いている。しかし、このeコマースが始まって以来20年近く変わらなかったスタイルに、近年変革をもたらそうとしているサービスが増えてきている。オシャレなモノを集めながら、コーディネートを考えながら、そしてニュースを読みながら!?、購入に結び付けようとする3つのサービスから、オンラインでの「衝動買い」の可能性を考えていく。

 

 

 

Sumally(サマリー) - オシャレなものを集めながらの衝動買い

 

雑誌『GQ JAPAN』の編集者だった山本憲資氏が立ち上げたSumallyは、自分のお気に入りを収集する画像キュレーションサービスで、モノを主体としたSNSだ。

 

Sumallyのトップ画面

 

ユーザーは自分が持っているモノの画像にhaveを、自分が欲しいモノにはwantを付けたり、フォローしているユーザーが興味を示すものを見ながら、お洒落なモノを次々と探して行くのがSumallyの楽しみ方だ。それはどこか、ファッション誌をチェックしているような感覚に似ている。

しかし雑誌より一歩先を行っているのは、そのお気に入りアイテムをその場ですぐに購入できてしまうという点だろう。画像左下に価格表示のあるアイテムに関しては、すべてオンラインで購入が可能な商品ばかり。つまり、オシャレなモノを集めながら「衝動買い」ができるサービスなのだ。

 

Sumallyのタイムラインに流れる購入可能商品(左上商品の左下に黄色い帯に価格を表示)

 

 

Sumallyの商品詳細ページ(右側のカートに追加するボタンで購入が可能)

 

それらはこれまでリンクされたECサイトから購入するのがメインだったが、ついにSumallyは昨年秋にユーザー間によるC2Cコマースの販売テストを実施。wantしているアイテムをhaveしているユーザーから購入できるというSumallyの特性を活かした販売方法は、商品数・販売期間ともに限定的ながらも大反響を得た。その反響を踏まえ、Sumallyでは膨大な“want”と“have”の情報を活用し、wantしているユーザーに対して売り手がそのアイテムを販売し、買いそうな人に売りに行くことができる“ソーシャルマッチングコマース”を実現させると発表。また、あるアイテムを“have”しているユーザーが、ほかに何を“want/have”しているか、カテゴリごとにブランド・商品名まで分析することが可能となっているため、今後はビッグデータ化していくユーザーの嗜好情報を統計化し、ビジネスアカウント向けに提供するとも述べている。

2013年末でSumallyの登録ユーザー数は25万人、アイテム数は120万点を超えているが(アイテム対し3,500万件のwant/haveが付いている)、2014年はユーザー数100万人を目標に掲げ、今春にはユーザー同士で売買できる機能を公開予定で開発を進めている。

 

<参考>

ソーシャルからコマースへの系譜 PinterestからSumally、FANCY、そしてOrigamiへ(前編)

ソーシャルからコマースへの系譜 PinterestからSumally、FANCY、そしてOrigamiへ(後編)

 

 

 

WEAR(ウェア) - コーディネートを考えながらの衝動買い

 

昨年10月末にローンチされ、業界に衝撃が走ったファッション特化型サービスのWEAR

WEARのトップ画面

 

当初“バーコードスキャン機能”ばかりが注目を集め、ショールーミングの加速を懸念する声が多くささやかれていた(つい先日そのバーコードスキャン機能は廃止が決まった)。しかしふたを開けてみると、WEAR上に流れるコーディネート画像を閲覧したり自らが投稿する“コーディネートレシピ機能”に人気が集中。WEARISTAと呼ばれるWAER公認の85名の著名人ユーザーや約4,000名ものショップスタッフ、そして一般ユーザーによるコーディネートの投稿件数は、今やトータルで20万件を越えるまでになった。数万人のフォロワーを集めるショップ店員や一般ユーザーも出てきており、一連のサービスに対するユーザーの反応は加熱する一方だ。

 

WEARのコーディネート画面(コーディネートに使用している商品で購入可能なものにカートマークが付加)

 

コーディネートに使われた商品はZOZOTOWNを始めとするECサイトで購入できるため、WEARのこの機能はまさにコーディネートを考えながらの「衝動買い」を実現したサービスと言えるだろう。

 

WEARの商品詳細ページ(BUYボタンを押すとZOZOやブランドオリジナルサイトへの導線を表示)

 

2014年1月にはWEAR経由でのZOZOTOWNの売上が月商1億円を超え、WEARからZOZOTOWNを訪れた利用者のコンバージョン率は12%に達した。また、2月中旬時点での参加ブランド数は2,000以上で、店舗数は3,500店を突破。ただし同社では、WEARからのEC誘導をZOZOTOWNで独占する考えはなく、メーカーの自社通販サイトはもちろん、モール系ECなどともデータ連携の了解が得られれば可能としている。

2014年1月の月間利用者数は240万人で、つい先日、リリースから約5カ月でアプリが200万ダウンロードを突破したと発表。現在は20代後半のユーザーを中心に女性の利用率が65%と高いが、今後は幅広い層をターゲットに500万人の利用を目指す考えで、その後は海外展開も視野に入れている。また、新規購入アイテムや手持ちのアイテムをWEARに登録する“マイクローゼット”には、すでに消費者の持っている服の情報が620万件蓄積されていることから、不要になった衣類を利用者同士が売買するCtoCとしてのプラットフォームや、メーカーの自社通販サイトなどに送客した際に成果報酬型の手数料を得るなど、将来的にはWEARの収益事業化を図りたい意向だ。

 

<参考>

アパレルECでWEAR、Virtusize、VAULTが提案する次世代のオンライン商品選択の姿

ZOZOTOWNの新アプリ“WEAR”で、狙い通りアパレルECにおける店舗のショールーミング化は進むのか

 

 

 

Antenna(アンテナ) - ニュースを読みながらの衝動買い

 

ビジネス、デジタル、グルメ、ファッションなど、さまざまなジャンルを網羅した210以上の提携メディアから配信されたコンテンツを、自分の好みに合わせて読めるキュレーションマガジン、Antenna

 

Antennaのトップ画面

 

ネット上のメディアから情報を収集し、画像を中心とした美しいレイアウトにまとめられたAntennaには、多い日で1日800を越える記事がアップされる。Antennaでは“メディアの規模に関係なく面白いコンテンツを揃える”をモットーにしており、“触れているだけで世界が広がった”“好奇心を旺盛にしてくれる”など、ユーザーからの評価も高い。ユーザー数も先日300万人を超え、ビジネスとしても順調に拡大しているサービスだ。

そのAntennaが、コンテンツと並んで商品を表示させるECサービス“Antenna ショッピング”を4月2日からスタートさせた。Antennaに表示されるメディア記事の10本に1回程度の頻度で、商品情報を表示。

Antennaのタイムラインに流れる購入可能商品(右中段のように価格とカートマークが表示)

 

気になった商品の画像をタップすると、商品に関するストーリーを読むことができ、そのままAntenna上で決済して購入できる。

 

Antennaの商品詳細ページ(カートに入れるボタンで購入可能)

 

例えば雑誌がそうであるように、インテリア雑貨やファッション小物といったさまざまなアイテムが記事に混ざって紹介されているため、ニュースを読みながらの「衝動買い」が可能になったのだ。まずはインテリア・雑貨、食器、アクセサリーなどのアイテム約2万点の取り扱いから始め、季節に応じた特集でも商品を紹介。商品との偶然の出会いを演出するのが狙いで、同アプリを運営するグライダーアソシエイツによると、「お店に行って、店員さんにオススメ商品を紹介してもらえるようなイメージ」を目指すという。Antennaの事前審査を通過した事業者のみが販売するため、キュレーションされた心地良い買い物空間が提供される。

 

 

オンラインでの衝動買いは「ギラギラ感」から「ワクワク感」への転換

 

ECに慣れてきた多くの消費者は、オンラインでモノを買いたいときには、Googleで検索するよりも、楽天やAmazonという使い慣れた大型モールに行って商品を検索することが起点となるケースが多いだろう。そして消費者のレベルが向上し、商品によってはZOZOやモール外の独自のお気に入りのショップに行くことが増えてきたという傾向もあるだろう。

しかし、依然として実店舗でウィンドゥショッピングをしているようなワクワク感はなかなかオンラインでは味わうことは出来ていないのも現実だ。この1つの要因として、商品を押せ押せで売りたいオンライン上の売り場と、とにかく安く商品を買いたい消費者を引き合わせるECサイトという形態に限界があったのかもしれない。そこに訪れる消費者は目が“$マーク”となったギラギラしたユーザーであり、店舗もそのユーザーの意向を汲み取ったギラギラした情報提供に徹してきた。

Sumally、WEAR、Antennaはそのようなギラギラした売り場ではなく、商品購入以外の目的を持ってやってきた潜在顧客にワクワク感を提供し、その場に関連する商品の購入を促すものである。いわばオンラインでの購買プロセスを、「ギラギラ感」から「ワクワク感」に転換する大きな取り組みを行っているのではないだろうか。WEARが叩き出した驚異的なコンバージョンレートは、このオンラインの衝動買いの未来が非常に明るいことを物語っている。このような新しい視点での衝動買いのサービスの発展に注目していきたい。

 

 

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