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複数PF運営によるデータ分散・不整合の課題をどう乗り越えるか

複数PF運営によるデータ分散・不整合の課題をどう乗り越えるか

物流・決済・業務
2026/08/27

オンライン販売業者の多くがよく知る課題の1つは、データの不整合だ。特に複数のチャネルで販売している場合、この問題はより顕著になる。さらに、需要は絶えず変動するため、小売業者が需要を正確に予測するのは非常に難しい。ドイツと米国に本社を置くソフトウェアエンジニアリング企業のInstinctoolsのCEO兼創業者であるAlexey Spas氏は、「従来の予測手法は、現在のオムニチャネル型の小売環境ではうまく機能しない。というのも、もはや存在していない直線型の安定した小売モデルを前提に、それが設計されているからだ」と語る。


オンライン販売は複数のチャネルで行われる

最近の調査によると、2025年の欧州におけるEC総取引額(GMV)の61%を、マーケットプレイスが占めている。消費者の47%がマーケットプレイスで商品の検索を開始していることからも、多くのオンライン小売業者がこれらのプラットフォーム上に出店しているのも不思議ではない。また、英国の総合小売チェーン、Argosが最近マーケットプレイスを立ち上げたように、新しいマーケットプレイスが続々と市場に参入している。

2025年のあるレポートでは、オンライン小売業者の多くは、実際には6つのマーケットプレイスに出店していることが明らかになった。これは、需要、在庫状況、売上の把握が複雑になっていることを意味している。小売・EC業界をはじめ、物流、サプライチェーン、製造業界向けにソフトウェアソリューションを提供するInstinctoolsのCEO兼創業者のAlexey Spas氏は次のように語った。「現在の小売業者は『パーフェクトストーム(複数の悪条件が重なる状況)』のような市場環境を切り抜けようとしており、従来の成長戦略ではもはや十分に対応できない」。


データ関連の課題

「これらの業界が直面している課題は、単なる物流の問題にとどまらず、技術面やデータ面にまで及んでいる」。Instinctoolsによると、データは複数のチームや個別のシステムそれぞれに分散していることが多く、オンライン戦略を一元的に進めることはほぼ不可能な状況であるという。その他の課題としては、需要の変動や短期間で移り変わるトレンド、サプライチェーンの混乱、さらには通常の需要をねじ曲げるプロモーションなどが挙げられる。


「スプレッドシートのような従来の予測手法は、オンライン販売業者にとってボトルネックになり得る」


こうした理由から、スプレッドシートのような従来の予測手法は、オンライン販売業者にとってボトルネックになり得る。これは、SKU(在庫管理や受発注を行う際の最小管理単位)、販売チャネル、市場、倉庫が多すぎる場合に起こりがちである。また、手作業によるデータ統合や異なるバージョンのスプレッドシートも、繰り返し発生する在庫切れや過剰在庫と同様に、問題となる可能性がある。


AIベースの予測モデルで時間を短縮できる

このような状況では、オンライン販売業者が予測にかける時間は、数時間ではなく数日に及ぶこともある。「こうした段階になると、小売業者はより大規模で多様なデータセットを処理できるツールを探し始めることが多い。AIや機械学習モデルなら、過去のデータとリアルタイムのシグナルを組み合わせると同時に、非線形な関係性を検出し、変化するパターンに適応できる。これらのモデルは、SKU別、拠点別、チャネル別に予測を生成できる」。

「我々の顧客のある企業が、データ品質をチェックするためにAIツールを導入したところ、所要時間を60%削減することができた」


InstinctoolsのソフトウェアはAIや機械学習機能が搭載されているものの、同社は人間主導のデータエンジニアリングが依然として必要だと指摘している。「とはいえ、AIを活用すれば、準備段階を大幅に加速することができる。我々の顧客のある企業が、データ品質のチェックやマッピング(異なるデータ項目を紐付ける作業)、クレンジング(データの誤りや重複などを取り除き、データを整える作業)にAIツールを導入した。その結果、これらの作業にかかっていた時間を60%削減することができた」。


※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の8/14公開の記事を翻訳・補足したものです。