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AIは購買プロセスの積極的な担い手になりつつある

AIは購買プロセスの積極的な担い手になりつつある

マーケティング
2026/07/10

欧州の5大オンライン市場におけるeコマースに関する最新のレポートによると、オンラインショッピングの人気は依然として高まり続けている。2029年までに、ドイツ、英国、スペイン、イタリア、フランスのオンライン売上高は、合計6,000億ユーロに達する可能性がある。こうした成長は、オンラインショッピングにおけるAIの活用によって後押しされている。

経営コンサルティング会社のMcKinsey & Companyは最近、「Europe’s new e-commerce agenda: How AI is resetting growth and competition(欧州の新たなeコマース戦略:AIは成長と競争の構図をどう再構築するか)」と題するレポートを発表した。同レポートは、欧州におけるeコマースの現状を、特にドイツ、英国、スペイン、イタリア、フランスの5大市場に焦点を当てて分析している。このレポートによると、今後3年間で、これらの市場におけるeコマースは年率6%の成長が見込まれるという。

 

顧客はAIにタスクを委任

このレポートの分析によると、AIは購買プロセスにおいて積極的な役割を担いつつある。顧客は、最安値の検索、商品の自動再注文、価格、ブランド、配送スピード、サステナビリティなどの設定された基準に基づく買い物カートの作成といったタスクをAIに委ねている。この調査によると、欧州の消費者の約38%が、現在すでに生成AIツールを活用して商品のリサーチや購買決定を行っているという。

 

オンラインストア組み込み型のAIアシスタントを希望する人はわずか10%

PSE Consulting(決済・金融サービス・コマース領域を専門とする英国のコンサルティング企業)は6月22日の週に、英国、米国、フランス、ドイツの消費者4,250人を対象に実施した調査レポートを発表した。回答者は全員、すでにオンラインショッピングでAIを利用している。この調査によると、オンラインショッピングの際、回答者の74%がChatGPTのような独立したAIアシスタントを好むことがわかった。

「回答者の74%は、オンラインストアに組み込まれたAIアシスタントよりも、独立したAIアシスタントを好む」

また、41%は、Geminiのような複数のプラットフォームやプロバイダーを横断して利用できるAIアシスタントを好むと回答。さらに、33%は、特定のカテゴリーに特化した専門的なAIアシスタントを好むと回答した。一方で、AIショッピングアシスタントがオンラインストアに組み込まれている形態を希望する回答者はわずか10%にとどまった。

 

プラットフォーム間の価格比較

研究者によると、消費者がAIを活用したオンラインショッピングを利用する主な理由は「価格」にあるという。彼らは、単一のプラットフォームに頼ったり検索エンジンを利用したりするのではなく、複数のオンライン販売業者間でAIを活用して価格を比較している。

「回答者の90%は、AIの普及が進んでも、マーケットプレイスの利用は現状維持か、あるいは増加すると予想」

一方で、回答者は、AIアシスタントによってオンラインマーケットプレイスの市場シェアが減少するとは考えていない、と述べている。回答者の最大90%は、AIの普及が進んでも、オンラインマーケットプレイスの利用は現状維持か、あるいは増加すると予想しているのだ。研究者らは、独立型のAIアシスタントが商品発見において重要な役割を担うようになっている一方で、既存のプラットフォームを置き換える可能性は低いと指摘する。

 

「発見と実行は、別々の段階になりつつある」

「エージェント型AIが登場すれば、消費者はマーケットプレイスに頼るのではなく、自分なりの条件でインターネット上の情報を厳選できるようになり、マーケットプレイスの重要性が低下するだろうという見方があった。しかし、この調査が示唆しているのは、消費者がショッピングの過程において、『発見』と『実行』を別々の段階として捉えるようになってきているということだ」と、PSE Consultingのマネージングディレクター、Chris Jones氏は述べる。「消費者は、インターネット上の選択肢の中から適切なものを選ぶ際にはAIの手助けをますます必要としているが、注文の履行、決済、物流、カスタマーサービス、そして運用面での信頼性に関しては、依然としてマーケットプレイスのような定評のあるブランドに頼っているのだ」。


※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の6/26公開の記事を翻訳・補足したものです。