ツールの増加、チャネルの多様化、データの膨大化により、多くのマーケターがマーケティング活動と成果を結びつけることに苦慮している。
マーケティング担当者はこれまで以上に多くのデータを手にしてはいるものの、Bitly(リンクのクリック分析等を行う米国のマーテック企業)の最新レポートによると、彼らは依然として「実際に効果があるのは何か」という基本的な問いに答えることが難しい状況が続いている。
Bitlyの「The Marketing Visibility Report(マーケティングの可視性レポート)」によると、平均的なマーケティングチームは現在、パフォーマンスを測定するために6種類のツールを使用している。しかし、何が実際に効果を上げているかを明確に把握していると答えたマーケティング担当者はわずか18%に過ぎない。
この問題の一因は、マーケティング活動が今やあらゆる場所で展開されていることにある。
250人以上のマーケティング担当者を対象としたこのレポートによると、マーケティング担当者の72%がオーガニックなソーシャルメディアを活用しており、これがマーケティングミックスの中で最も一般的なチャネルとなっている。また、キャンペーン専用のランディングページ、eメールキャンペーン、有料ソーシャル広告も、最も頻繁に利用されているチャネルに挙げられている。
各チャネルが異なる情報を伝えるため、可視性の面で課題が生じる。ソーシャルプラットフォームでは、エンゲージメント指標がほぼ瞬時に生成される。ランディングページではコンバージョンは確認できるが、訪問者を誘導した要因についてはほとんど明らかにならない。メールはブランドと既存の顧客層をつなぐ役割を果たすが、他のマーケティングシステムとは切り離して運用されることがよくある。
その結果、マーケティング担当者は、断片的なシグナルの集合体から全体像を構築しようと試みている。
ツールが増えたからといって、この問題は解決していない。同レポートによると、最も一般的に使用されている測定プラットフォームは、ソーシャルアナリティクス、Webアナリティクス、メールプラットフォーム、CRMシステムなど、個々のチャネルに焦点を当てたものである。チャネル間のパフォーマンスを連携させ、活動と成果を結びつけるために特化して構築されたツールは、依然として圧倒的に少ない。
この断片化は、マーケターが最も頼りにしているチャネルにおいて最も顕著に表れている。
マーケターが最も大きな可視性のギャップを感じているチャネルを尋ねたところ、オーガニックソーシャルメディアが1位、次いでキャンペーン専用のランディングページ、有料ソーシャルメディア、検索、メールキャンペーンの順となった。
特に注目すべきは、オーガニックなソーシャルメディアの成果だ。これはマーケティング担当者の4分の3近くが利用しているチャネルであるにもかかわらず、可視性の問題が最も深刻なチャネルでもある。同レポートでは、マーケティング担当者はソーシャルプラットフォーム上の活動状況を容易に把握できるものの、それを有意義なビジネス成果に結びつけることに苦労することが多いと指摘している。
ランディングページも同様の課題を抱えている。ランディングページはコンバージョンに直結する位置にあり、キャンペーンの成果を測る確かな指標となることも多いが、訪問者がページにたどり着く前にどのような要因が影響したのかについては、ほとんど説明されていない。こうした背景情報がなければ、マーケティング担当者は「何が起きたか」は把握できても、「なぜそうなったのか」までは必ずしも理解できないのである。
このレポートは、状況が改善する前に悪化する可能性があることを示唆している。AIによる回答、ゼロクリック行動、プライベートな共有、そしてダークファネル活動(ユーザーが意思決定に向けて動いているにもかかわらず、マーケティングツールでは 追跡できない行動)によって、マーケティング担当者が容易に追跡できないインタラクションがさらに増加している。同時に、AIはキャンペーンの作成と最適化を加速させ、チームが理解する必要のある活動量を増加させている。
言い換えれば、マーケティング担当者はデータ不足に悩まされているのではなく、すでに保有しているデータ間の連携不足に悩まされているのだ。課題はもはやシグナルを収集することではなく、増え続けるばらばらの指標を、ビジネス成果を左右する要因を明確に把握できる形に変換することにある。
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