SEO・LLMO対策支援、メディア運営などを行う株式会社メディアグロースは、全国の10代〜60代の男女350名を対象に「生成AIツールの利用調査」を実施した。
調査結果
商品購入時に利用された生成AIサービスとして最も多かったのは「ChatGPT」で52.3%となっており、半数を超えるユーザーが購入判断の際にChatGPTを参考にしていたことから、普及率の高さが伺えた。次いで 「Google Gemini」の21.4%、「Microsoft Copilot」の9.1%が続き、主要AIサービスが買い物の「比較・検討」に活用されていることが明らかとなった。
生成AIサービスを通じて購入した商品の金額帯で多かったのが、「~999円」の35.0%、と「1,000~4,999円」の36.5%で、全体の71.5%が“4,999円以下”の低価格帯に集中 していることが明らかとなった。この結果から、生成AI経由の購買行動は、気軽に試せる低価格帯の商品やデジタルアイテム、サブスクリプション系の手軽な支払いが中心となっていることが推察される。その一方で、5万円以上の高額商品をAI経由で購入したケースも一定数見られ、AIが高価格帯商品の意思決定にも一部影響を持ち始めていることも分かった。
生成AI経由で商品を知った場合、その後どこで購入するか尋ねたところ、「公式サイトやECサイトで確認してから購入する」と回答した人が51.4%と約半数だった。その反面、生成AIが提示したリンクから直接購入した人はわずか5.1%だったことから、利用者の多くが「最終確認」を経て購入に至っている実態が明らかとなった。
しかし、「生成AI経由では購入しない(情報収集のみ)」という回答も43.4%あり、多くのユーザーが、生成AIサービスから直接購買行動を起こすまでには至っていない。これらの結果から、生成AIは商品認知や候補選定において強い影響力を持ちながらも、購入時には依然として「信頼性確認」や「価格比較」など、ユーザー自身による追加判断プロセスが重視されているようだ。
当初購入を検討していた商品に対し、生成AIにおすすめされた商品に変更したかについては、「生成AIのおすすめ商品に変更した」人が32.6%と、約3人に1人がAIの提案を採用していた。一方で、「変更せず当初の候補商品を購入」した人は41.4%となっていたことから、AIの提案は参考にしつつも最終判断は当初の方向性を維持するユーザーが多くを占めていた。また、「購入をやめた/決めかねている」は13.7%、「その他」12.6%と、生成AIの情報によって再検討に入るケースも見られ、生成AIが購買行動に与える影響は「背中を押す」だけでなく、「見直しを促す」など多方向に及んでいることが示唆された。
まとめ
今回の調査から、生成AIは「商品認知」や「選択肢の拡大」には大きく寄与しつつも、最終判断ではユーザーの主体的な検討プロセスが維持されている状況が浮き彫りとなった。こうした結果は、生成AIが購買行動の「入口」として強い存在感を持ちながらも、信頼性や価格比較などの要素においては従来の購買行動が依然として重要であることを示している。今後、生成AIの提案精度やUI/UXがさらに洗練されるにつれ、「検索・比較・購入」のすべてのプロセスをAIが担う流れがどこまで進むのか注目していきたい。