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ECサイト表示遅延調査、購入意欲低下は4秒以上、8割が実感

ECサイト表示遅延調査、購入意欲低下は4秒以上、8割が実感

マーケティング
2025/11/25

デジタルビジネス支援を行う、海外SaaS商社の株式会社ギャプライズは、日常的にECサイトにて商品を購入する20~60代の方を対象に、「ECサイト利用者の“読み込み遅延”による購買離脱」に関する調査を実施した。



調査結果

 

「ECサイトを利用する際、読み込みに何秒かかると遅いと感じるか」と尋ねたところ、「4秒以上」の34.0%と回答した方が最も多く、次いで「3秒」の25.7%、「2秒」の21.0%が続いた。この調査から、3秒以上かかると遅いと感じる層が6割以上で、その中でも約3割は2秒以内でも遅いと感じることが明らかとなった。実際、Googleの指標(LCP)では2.5秒以内が推奨されており、人によってはコンマ数秒〜1秒の差でも不快感を覚える様子がうかがえた。

また、「閲覧している際に読み込みが遅いと感じやすいECサイトのジャンル」について質問すると、最も多かったのが「旅行・チケット購入サイト」で32.0%、次いで「アパレルサイト」が30.2%、「ECモール」が24.3%という結果だった。これら上位ジャンルに共通するのは、高画質の画像や動画コンテンツの多さ、あるいはリアルタイムでの在庫・価格変動の多さであると考えられ、視覚的な魅力を重視するジャンルほどデータ量が増え、読み込み負荷が高まる傾向があるようだ。さらに、「旅行・チケット購入サイト」では、より予約や購入完了までの速度が重視されるため、読み込みスピードを意識する機会が多い可能性も考えられる。

 

 

「表示スピードが遅いECサイトは、閲覧継続や購入の意欲が低下すると思うか」と尋ねたところ、約8割(「とても思う」の26.5%、「やや思う」の52.9%の合計)が低下すると回答していた。この結果から表示スピードが単なる利便性の問題ではなく、ECサイトの信頼性や安心感の欠如につながっている可能性がありそうだ。

「実際に、ECサイトの閲覧継続や購入の意欲が低下する読み込み時間はどの程度か」と質問したところ、「4秒以上」が32.9%と最多で、「3秒」の21.8%、「2秒」の17.5%が続く結果となり、「遅いと感じる秒数」と「購入の意欲が低下する秒数」の上位のランキングは同様の結果となっていた。

 

 

「ECサイトを使用している際、どのような場面で不満を感じるか」について年代別で見ていくと、「特に不満を感じない」という回答も一定数あるものの、不満点として全年代で多かったのは「表示速度の遅さ」と「入力項目の多さ」で、遅い、もしくは面倒と感じると購買離脱の可能性が高まることが分かった。

 

 

「商品を購入した際にECサイトの表示が遅いとどのように感じるか」調査したところ、「商品を購入できたなら許容できる」と「信頼感が低減する」がほぼ同水準となり、評価が二分する結果となった。ただし、たとえ購入が完了したとしても、表示の遅さは信頼を低減させ、約2割は明確に「再利用しない」と判断していることから、表示速度はブランドイメージやリピート意向にも深刻な影響を与える、重要な要素であるといえる。

 

 

株式会社ギャプライズについて

 

ギャプライズは2012年以降、世界各地から革新的なテクノロジーを見出し、提案し続けることで差別化を目指してきた。また、2023年にはGoogleオプティマイズサービス終了に際し、公式推奨される3つのABテストツールを国内で唯一取り扱い、2024年2月からはサイトスピード改善ツールを複数取り扱うサービスを開始するなど、特定のテクノロジーの紹介にとらわれない、クライアントのニーズに応じた多様な選択肢を提供できるSaaS商社としての取り組みを実施している。ギャプライズは先進テクノロジーの導入やコンサルティング業務を通じて、市場分析、認知や獲得を目的としたオンライン集客、サイト内ユーザー体験の最適化、コンテンツ管理、プロジェクト管理、AI技術など幅広くクライアントの課題解決を行いながら、ビジネス成長を加速するための伴走を続けていくとのこと。