適切なデータを提供できなければAIは機能しない。しかし、多くの組織では、AIが必要とするデータが十分に供給されていない。
米国メディア「MarTech」の「MarTechCharts」セクションでは、マーケターやマーケティング業務の専門家が関心を持つデータを定期的に取り上げている。
マーケターがAIに期待する最優先事項
出典:Hightouch
マーケターは「ツール」を最大の課題としてよく挙げるが、実際にはその75%は「分断されたデータ」に起因した問題であることが、米国に本拠を置き、データおよびAIプラットフォーム開発・提供を行うHightouchによるレポートで判明した。
「マーテック(マーケティングテクノロジー)はマーケターの期待に応えられているか(Has martech failed marketers?)」と題されたこのレポートは、マーケティングリーダーとの384件の会話を分析し、理想と実行に乖離があることを明らかにした。
主な調査結果
・マーケターの95%が、効果的なオーディエンスの発見やターゲティングに苦戦している。
・マーテックに関する問題の75%は、ツール自体でなくデータの問題に起因している。
・現在、AIを効果的に活用できていると感じているマーケターは10%しかいないが、75%はより頻繁に、より多くのユースケースでAIを活用したいと考えている。
・AIをうまく活用してパーソナライゼーションに成功していると考えているマーケターは2%未満で、1対1のパーソナライゼーションを実現できたと感じているマーケターは1%未満である。
Hightouchによると、調査対象となったマーケターのほぼ全員が、生成AIとエージェント型AIへの期待を示している一方で、大半は自組織が自信を持って活用できる体制が整っていないという。同レポートは、核心的な問題は「データの準備不足にある」、と指摘している。多くのマーケティングチームは、いまだに断片化されたシステムやエンジニアリング部門への依存に直面しており、そのため高度なパーソナライゼーションや自社データの理解と活用を大規模に展開することが難しいのが現状だ。
この調査は、小売、フィンテック、エンターテインメント、医療、SaaSなどの業界におけるB2BおよびB2C部門のマーケターを対象に実施された。