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ChatGPTからWebサイトへのトラフィックが1か月で52%減少

ChatGPTからWebサイトへのトラフィックが1か月で52%減少

マーケティング
2025/09/11

ChatGPTを運用するOpenAIによる、新しい引用重み付けを用いた「回答優先型」の情報源に関する実験において、Reddit(掲示板型SNS)とWikipediaが支配的な位置づけとなった。


米国に本社を置くAI検索プラットフォームのProfoundのJosh Blyskal氏によると、ChatGPTからWebサイトへのリファラルトラフィック(別サイトのリンク経由によるアクセス)が2025年7月21日以降52%減少しているという。同氏は、さまざまな業種のサンプルサイトにおける10億件超のChatGPT引用データと100万件のリンク経由の訪問記録を分析した。


数字で見る主な調査結果

  • Reddit(米国の掲示板型SNS)の引用は7月23日以降87%増加し、現在ChatGPTの引用全体の10%以上を占めるまでに拡大。
  • Wikipediaは7月の低水準から62%増加し、引用シェアの約13%を獲得。
  • Wikipedia、Reddit、TechRadar(英・米・豪に拠点を置き、ガジェットやテクノロジーに関するニュースやレビューを掲載)の上位3サイトは、引用全体の22%を占め、わずか1か月で53%増加した。

ChatGPTは今や少数の「回答優先型」の情報源を好み、ブランドのサイトは可視性を失い、何百万件もの潜在的な参照クリックの可能性を逃している。


背景

Blyskal氏は、2025年8月7日にリリースされたGPT-5の影響ではない、と述べた。ChatGPTの引用統合は数週間前から始まっており、ChatGPTを提供する米国企業OpenAIは検索システムを手動で再調整し、有用な回答を優先するよう重み付けを変えたとみられる。


大局的な視点

Blyskal氏は自身のLinkedInの投稿で、B2Bマーケターが知っておくべき特に重要な2点を挙げている。まず、ChatGPTは、コンバージョンを優先する「デモの予約」のようなブランドコンテンツを回避する傾向がある。次に、RedditやWikipediaのような回答優先型プラットフォームは、ユーザーのクエリに直接回答を提示するため、自動的に優位に立っている。

「コンバージョン重視から回答優先にコンテンツを転換する意思のあるブランドには、膨大な引用機会が広がっている」とBlyskal氏は綴っている。


結論

OpenAIの引用実験は、トラフィックに大きな変動をもたらす可能性がある。実際の回答を提供しないブランドは、ChatGPTの回答から排除されるリスクがある。


※当記事は米国メディア「MarTech」の8/26公開の記事を翻訳・補足したものです。