EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」

信頼性の低いデータとデータサイロ化は、チーム間のデータ共有を妨げる

信頼性の低いデータとデータサイロ化は、チーム間のデータ共有を妨げる

マーケティング
2025/08/08

信頼できるデータを得るのは難しい。そう感じるのはあなただけではない。サイロ化された、信頼できないデータが多くの組織で大きな障害となっている。


 

他部門から必要なデータにアクセスする際の主な課題とは?

「情報のサイロ化の解消」をガバナンス改善計画における最優先事項と回答した人は21%にとどまる。


米国のB2Bリサーチ・マーケティング会社のAscend2と米国のデータインテリジェンスプラットフォーム提供企業Collibraによる調査報告によると、専門家の3分の1以上(37%)が「データのサイロ化がチーム間の効率的なデータ共有を妨げている」と回答している。

データ信頼性の現状:組織がデータを不確実性から揺るぎない信頼へと進化させるプロセスThe State of Data Confidence: How organizations evolve from uncertainty to unwavering trust in their data)」と題されたこのレポートでは、多くの組織で、データが不足しているのではなく、データの信頼性が欠けていることが判明した。

企業におけるデータの課題は、データの可視性や発見可能性が限られていることによってさらに複雑になっており、回答者の32%が、これを主要な懸念事項に挙げている。チームが必要なデータを見つけられない、またはデータが存在していることすら認識できていない場合、進捗の停滞や情報の見落としが発生してしまう。

同レポートによると、データへの信頼度が高い組織は、データパイプライン(複数のソースからデータを収集、分析し、データを理解しやすい形で提示するために使用するプロセスとツール)に透明性を確保している。自社データの健全性と信頼性に「高い可視性がある」と回答した専門家は回答者全体では46%にとどまっている一方で、データへの信頼度が高い層では、その割合は64%と大きく跳ね上がる。これは、信頼度が低い層の20%とは3倍以上の差がある(64%対20%)。

回答者の半分以上(53%)が、AIモデルの構築および導入において「データの信頼性」を最大の課題として挙げている。一方で、AIが単なる流行語から業務上不可欠なツールへと移行するにつれて、コンプライアンスの重要性はさらに高まっている。専門家の45%は、AIモデルを構築・運用するにあたり、「強化される規制を遵守すること」が重要な課題のひとつであると回答している。

同レポートは、2024年12月に米国と英国の458名の専門家を対象に実施された独自のオンライン調査を基に作成されている。回答者には、データガバナンス、リスク、コンプライアンスの役割を担うマネージャーや上級レベルの専門家が含まれており、全員が年間売上高5億ドル以上の組織に所属している。


※当記事は米国メディア「MarTech」の8/1公開の記事を翻訳・補足したものです。