EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」

細部にこだわりすぎることなく、GoogleのAIモードを最適化する11の方法

細部にこだわりすぎることなく、GoogleのAIモードを最適化する11の方法

マーケティング
2025/07/25

検索は、従来のSEO(検索エンジン最適化)以上に機能するAIシステムによって、日に日に変化している。検索キーワードのランキングだけではなく、「ブランド力」が新たな優先事項になる。


GoogleのAIモード、そしてさらに広範なAI検索に最適化するには、既存のSEOのノウハウ集を微調整するだけでは不十分である。考え方から変えなければならない。だが、心配は無用だ。コンピューターサイエンスの学位が必要なわけではないのだから。必要なのは、検索行動とGoogleの機能がどのように進化しているかを明確に理解することであり、実践的かつユーザーファーストの戦略でその変化に真っ向から対応する方法である。

話題になっているにもかかわらず、現時点ではAIモードからのトラフィックは、多くのブランドにとってほんの一部でしかない。しかし、方向性は明らかだ。AI搭載の検索は今後も拡大し続け、ユーザーがコンテンツを発見し、評価し、エンゲージする方法を変えていくだろう。つまり、今から対策を始めるマーケターは、未来の検索環境にうまく順応できるだけでなく、現時点でも成果をあげることができるのである。

以下に示すヒントは、最新のSEOの基礎と将来を見据えた戦術を組み合わせ、その差異を埋めるのに役立つだろう。目標は、ただ将来に備えるだけでなく、今現在、より優れたパフォーマンスを上げることである。

出典:中心となるトピックと補足的なトピックがどのように分岐するかを示すトピカルオーソリティ(主題における権威性)モデル(米国の検索およびパフォーマンスマーケティングエージェンシー、NP Digital提供)

 

1.深いトピカルオーソリティ(主題における権威性)を培う

自社が属するカテゴリにおいて権威を確立するためには、核となるトピックと関連するサブトピックを網羅した、よく研究されたコンテンツライブラリを構築する必要がある。目指すのはコンテンツの量だけではなく、明確さ、完全性、一貫性である。最も信頼され、役に立つ情報源になることである。

コンテンツは、その深さを反映するように構成すべきである。内部リンクは自然に感じられる設計にして、ユーザーと検索エンジンの双方を、サイト内に誘導する明確で識別しやすい経路でなければならない。これにより、貴社の専門知識が文脈に沿って表現され、GoogleのAIアシスタントGeminiなどのシステムを含む、幅広い関連クエリに対して、関連性を示すことができる。

最も重要なのは、検索順位をあげるためではなく、説明するために文章を書くことである。キーワードを詰め込むよりも、明快さを優先すること。コンテンツで取り上げたアイデアを徹底的に分析し、それらの間に明確なつながりを持たせよう。それこそが、視聴者とコンテンツを解析するAIシステムの両方に対して、専門知識を示すのだ。


2.あらゆる場所で検索を最適化して、ブランドを構築する

2025年の検索環境は、従来のSEO以上に機能するAIの影響がますます強くなっている。そのため、キーワードランキングだけでなく、「ブランド力」も新たな優先事項となる。

それには、自社でコントロールできることに注力することが重要になる。チャネルを問わず、認識可能で、信頼されるブランドを構築しよう。デジタルPRに投資し、質の高いコンテンツを継続的に公開し、自社サイトやメディア上でトピカルオーソリティを確立すると良い。

同時に、自社サイト以外にも目を向けるべきである。Geminiを含むAIモデルが情報を取得するあらゆるチャネルでコンテンツが表示されるように、「どこでも検索」戦略を展開しなければならない。これには、構造化データ、外部サイトからの引用、各プラットフォームで最適化されたコンテンツなどが含まれる。

ここでの目標は、直接の検索だけでなく、AIシステムが文脈から推測して回答するような間接的な質問に対しても、最も関連性が高く、信頼できる回答として、ブランドを位置づけることである。

 

3.ユーザー主導であること

AIモードはユーザーファーストであるため、この新たな検索環境で成功するには、ユーザー中心のアプローチが必要になる。AIモードの回答は、他のGoogleの情報源(Gmailなど)からユーザーの行動や好みを統合して、大幅にパーソナライズされる。回答は、ユーザーの「埋め込み表現」、すなわち以下のようなデジタル上の特徴に基づいて、コンテキスト化される。

  • 検索やクリックの履歴
  • コンテンツのエンゲージメント履歴
  • 位置情報
  • 属性

「ユーザーのためにベストを尽くす」というGoogleの長年の推奨事項は、かつてないほど重要になっている。

 

4.独特のコンテンツを作成する

「目立つこと」がこれまで以上に重要になっている。単に競合他社の既存コンテンツをコピーするだけでは通用しない。既存のE-E-A-T(「Experience、経験」「Expertise、専門性」「Authoritativeness、権威性」「Trustworthiness、信頼性」の略でGoogleの検索品質評価ガイドラインで定義されているWebサイトの評価基準)の枠組みに寄り添いながら、真に独自性があり、価値のあるコンテンツを作成しなければならない。そのためには、以下のことが必要になる。

  • 独自データやカスタムデータの活用
  • 独占的な引用の統合
  • 文脈を踏まえた主題の専門知識を披露することで、これまでに何度も繰り返されてきたような内容とはまったく異なるコンテンツを提供すること

 

5.ランキングやクリック数以外についても考える

現代の検索における成功の指標は変化している。

Googleは、AI Overview(AIによる概要)の検索結果ページで得られるクリックが「よりエンゲージメントの高いオーディエンス」からのものであり、「より多くの時間をサイト上で過ごす可能性が高い」と主張しているが、それを裏付けるデータを公開していない。それでも、「訪問の価値を完全に理解する」という推奨事項は有効だ。ファネル下部のKPI(重要業績評価指標)とその傾向に注目してほしい。

トラフィック量だけでなく、以下のような指標を評価することを意味する。

  • トランザクション
  • 獲得したリード
  • 顧客生涯価値

AI経由の訪問の質的な影響を理解することは、ROI(投資利益率)を理解し証明する鍵となる。

 

6.コンテンツの関連性と鮮度を監査する

新しい検索時代では、関連性がすべてである。関連性を高め、新たな洞察を得るために、自社サイトのコンテンツを継続的に監査し、更新する必要がある。時代遅れになったコンテンツやトピックから外れたコンテンツを戦略的に削除して、トピックの権威性とサイト全体の評価価値を高めよう。

こうした取り組みによって、AI が情報の優先順位付けする方法に合わせて、コンテンツが最新かつ包括的な回答を提供できる状態を保てる。関連性が高く、新しいコンテンツライブラリを維持することで、ユーザーとAIの両方に専門知識と信頼性を示すことができる。

「マーケティング」に関するロングテールクエリ(検索回数は少ないが、特定の意図やニーズを持った具体的な検索ワードやフレーズ)をAnswerThePublic(NP Digitalによるキーワードデータ視覚化ツール)によって可視化した検索質問の円形チャート

 

7.「検索ボリューム」の枠にとらわれずに考える

AIモードは、ユーザーが言葉にして表現しなかった意図も捉える。

  • Geminiは、最初のプロンプトにとらわれず、ユーザーの意図も汲み取って判断する。その方法は以下の二つである。
    ◦ユーザーが明示したクエリから直接判断する
    ◦ユーザーの過去の履歴や文脈から推測し、それを総合して判断する

まだ検索ボリューム(検索エンジンで検索された回数)という指標を完全に排除できる段階にはないが、会話型AI検索の普及はいずれ、キーワード検索のボリュームデータの関連性や精度を低下させるだろう。キーワードや検索ボリュームだけに注目するのではなく、次のような点を時間をかけて確認してほしい。

  • コンテンツが表面的な情報だけでなく、文脈を理解しやすいよう深い意味や関連性を持っているか。
  • 関連する概念や多様なユーザーの意図を探っているか。
  • 深く、権威ある理解を提供しているか。

MLBのチケットを検索・予約するGoogleのAIモードのスクリーンショット

 

8.エージェントの最適化について考え始める

時間はかかるものの、最終的にユーザーは自分のニーズを満たすため、Webサイトではなくエージェントに頼るようになるだろう。そこで今後は、AIエージェントを介してオーディエンスとつながることが極めて重要になる。エージェントはユーザーへの回答を合成し、パーソナライズするだけでなく、アクションも完了させるだろう。これには、次のような事例がある。

  • MLB、サンディエゴ・パドレスの試合チケットを購入する
  • 新しいヨガ教室に入会手続きをする
  • 新しいイヤホンを注文する

つまり、エージェントはパーソナルアシスタントになり、マーケターはエージェント向けにコンテンツやエクスペリエンスを最適化する方法について意識し始める必要がある。


テキストベースのコンテンツを脱却し、画像、動画、音声に移行することでAIモードでのランクインを目指す。

 

9.テキストベースのコンテンツから脱却する

AIモードの情報合成能力は、テキストだけにとどまらず、画像、音声、動画も積極的に取り込んで回答する。この状況で、可視性と関連性を最大化するには、コンテンツポートフォリオ(ブランドが保有・運用しているさまざまなコンテンツの集合体)を戦略的に多様化することが必要である。

たとえば、次のようなことが挙げられる。

  • 説明的なaltテキスト(画像の代わりとなるテキスト)と文脈に関連したキャプションで画像を最適化する
  • わかりやすいトランスクリプト(字幕やテキスト化)で魅力的な動画コンテンツを作成する
  • もしまだ試していないなら、ポッドキャストのような音声コンテンツも検討すると良い

AIは包括的で多面的な回答の提供を目指しているため、自社のコンテンツ資産が確実に発見されるようにすることや、関連するトピックと連携させることが重要になる。コンテンツ戦略がテキスト中心のままでは、情報がより豊かに、よりダイナミックに流通する環境では埋もれてしまう危険性がある。


サイト訪問者からより多くの成果を得るために、CRO(コンバージョン率最適化)とUX(ユーザーエクスペリエンス)に投資しよう。


10.CRO(コンバージョン率最適化)とUX(ユーザー体験)に投資する

AI検索によって自然検索からのサイトトラフィックが減少しているなか、ひとりひとりの訪問者の価値は今まで以上に高くなっている。CROは、ユーザーが次のような望ましい行動(コンバージョン)をより簡単に実行できるように、Webサイトを改良することに重点を置いている。

  • 商品購入の完了
  • フォームの送信

最適化されたUXは、サイトを直感的で魅力的、そして使いやすいものにしてくれる。明確な行動喚起(CTA)や高速なページ表示、全体的にストレスのないジャーニーを用意すると、コンバージョン率の向上につながる。


11.うまくいかない連携に見切りをつける

2025年、そしてそれ以降も勝ち続けるためには、サイロ化された仕事は一切許されない。知識の共有と連携が、前進する唯一の道である。SEO、コンテンツ、ソーシャルメディア、CRO、UX、エンジニアリング、デジタルPR、ブランド、製品、データおよび分析、これらすべてを連携し、以下のことを実現しなければならない。

  • AI検索での可視性を勝ち取る
  • 変化に遅れずについていく
  • 機能していること、していないことに反応する



※当記事は米国メディア「MarTech」の7/21公開の記事を翻訳・補足したものです。