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2024年第4四半期広告費、Metaは前期比15%増、TikTokは急減

2024年第4四半期広告費、Metaは前期比15%増、TikTokは急減

マーケティング
2025/01/31

ホリデーシーズンの不調にもかかわらず、TikTokへの広告費は通年で27%増となった。


デジタル広告会社Tinuitiによると、Metaは2024年第4四半期に広告費が15%増加したが、一方で米国で未知の未来に直面しているTikTokは2023年第4四半期から51ポイント減少し、13%となった。

これらの最新の数字は、ソーシャルメディアとコマースが2024年に向けて勢いを増していることを示しているが、デジタル広告全体としては、2025年は成長が鈍化すると予想されている。

気になる理由:マーケティング担当者がソーシャルメディアキャンペーンへの投資を継続し、場合によっては増加させる重要な理由は2つある。1つは、競合他社も投資している場所で競争力を維持しなければならないこと。2つ目は、新しいAIツールが、これらのプラットフォーム上で、より効率的で自動化されたキャンペーンを作成するのに役立っていることである。Tinuitiの調査によると、Metaよりも小規模なプラットフォームも、大きな投資対象となっている。

TikTok米国の広告主は、2024年のホリデーシーズン中にTikTokへの支出を前年同期比で13%増加させた。これは、TikTokが米国の大統領選挙期間中の第3四半期に記録した成長率(27%)の半分であり、2023年第4四半期の前年同期比成長率の64%から低下した。

これらはいずれも、ソーシャルメディア・プラットフォームが全体的に非常に好調な年となることを妨げるものではなかった。広告業界向けの検索サイトMediaRadarによると、2024年のTikTokへの支出は48億ドルだった。これは2023年比で27%の増加である。

小規模プラットフォーム:Tinuitiの調査によると、TikTokとMetaの両方で購入したブランドは、Metaに1ドル使うごとにTikTokに0.19ドル使ったという。これは、Metaの広告主がPinterest(Web上にある画像や動画を検索し、保存、共有できるサービス)に投資した割合と同じで、両方に投資した場合は、Snapchat(チャット機能が充実した画像・動画投稿SNS)に投資した割合(15%)を上回っている。マーケティング担当者が複数のソーシャル・メディア・プラットフォームに投資する場合、小規模なプラットフォームに価値を見出し、それに応じて投資していることを、この調査は示唆している。

Meta米国におけるMetaの広告費は、2024年第4四半期に前年同期比15%増となった。これは2024年第3四半期の9%増から加速した。

FacebookのCPM(インプレッション単価)は前年同期比横ばいのままではあるが、2022年第3四半期以来初めてプラスに転じた。Facebookの広告費の伸びは、第3四半期の5%から第4四半期には11%に増加した。

Instagram広告は、2024年のホリデーシーズン中に前年同期比20%増となった。

FacebookはMeta広告費の支出のほぼ3分の2 (64%) を占め、Instagramは 35%だった。また、Messenger(Metaが提供するインスタントメッセージサービス)とAudience Network(Facebookが提携するモバイルアプリに広告配信ができるアドネットワーク)にもわずかな金額が費やされた。

AmazonDSP第4四半期のAmazon広告投資全体の3分の1(32%)がデマンドサイドプラットフォーム(DSP、広告主の広告効果最適化を目指すプラットフォーム)への投資であったのに対し、Amazonの広告コンソール(スポンサー広告キャンペーンの設定と管理に使用されるセルフサービスのツール)への投資は68%であった。

この数字は、広告コンソールとDSPの両方に広告を出しているブランドの割合を表している。さらに、この数字には、DSPに投資しているが、コンソールでは活動していない非エンデミックブランド(Amazonに商品を置いていないブランド)が多数含まれていると同報告書は述べている。この数は、2024年初頭にAmazonプライム・ビデオ広告が開始されて以来増加している。

Amazon DSPへの支出は、2024年第4四半期に前年同期比36%増となった。Amazon DSPは、Amazonが所有・運営するデジタル・プロパティやAmazon Publisher Services(APS、Amazonが提供するクラウドベースのサービス。出版社や広告主がデジタル広告の収益化を最適化できるようにするためのツールを提供)を利用するパブリッシャーに販売を行っている。さらに、Amazon以外のインベントリーへの販売も行っている。Amazonが所有・運営するプロパティのCPMが高いため、このカテゴリはインプレッション(46%)よりも高い割合の費用(55%)を受け取っている。

Walmartのスポンサープロダクト:Tinuitiは、2024年第4四半期のWalmart(世界最大のスーパーマーケットチェーン)スポンサープロダクトの支出が前年同期比で53%増加したことを確認した。これは、2023年のホリデー以降で最大の伸びであった。

Walmartの全検索広告の88%はスポンサープロダクトであった。スポンサーブランドとスポンサービデオという他の2つの検索形式は、それぞれ6%と、より低い割合で使用されていた。


※当記事は米国メディア「Martech」の1/22公開の記事を翻訳・補足したものです。